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一般臨床医学(診察概論)

一般臨床医学(診概)

 

第1章 はじめに

I.使用上の注意

1.柔道整復国家試験出題基準(第2版)、一般臨床医学(全国柔道整復学校協会編 改定第2版)の記載項目、記載順序に基づいて作成しました。

2. 現在の出題基準と比較すると相違する部分があることに留意して、自己責任で使用してください。

3.社会歴*1*3    強調文字下線は国家試験の出題部分を示し、番号は出題時期(第何回)を表しています。第19回までしか記載していません。

4.巨人症      囲み文字は必修問題出題項目を表しています。

5.起坐位[起坐呼吸]→強調字体は国試出題基準の記載項目を表しています。

6.起坐位10  →脚注番号を挿入し、脚注内容をクリックで参照できるようにしました。元の場所に戻るには脚注番号をクリックしてください。

7. 誤字・脱字等のミスがあるかと思いますが、ご容赦ください。

 

 

 

第2章  診察概論・各論

I.問診

1問診方法*3*19→問診の意義、マナー、態度、患者感情面の対応(Text P109参照)

2.問診項目*1*3(カルテ項目)

項目名称

内 容

1)現病歴

主訴に関する発症時から現在までの経過

2)家族歴*3

家系内、家族内の健康状態、罹患疾患、死因、死亡年齢

3)社会歴*1*3

患者を取り巻く過去から現在までの生活環境

 

II視診

1.体格

 

原 因

特 徴

1)巨人症

(1)下垂体性巨人症1

A.骨端線閉鎖前→巨人症

B.骨端線閉鎖後先端巨大症2*3

(2)マルファン症候群3*8*9*10

くも状指*10、先天性心疾患

2)小人症*3*9

(1)骨疾患

A.(骨)軟骨異栄養症4*9*14

 

B.モルキオ症候群5

 

C.くる病6*14

 

(2)内分泌疾患

A.甲状腺機能低下症7

 

B.下垂体機能低下症8*9*14

 

(3)その他

ターナー症候群9

 

 

2.異常姿勢

 

原因疾患

1)エビ姿勢*4*16*18

(1)胆石症*4 (2)尿管結石症

2)起坐位10*16起坐呼吸*18

(1)心不全11 (2)気管支喘息12*18の喘息発作時

3)マン・ウェルニッケ姿勢13*4*9*11*14*15*16*18

脳血管障害*14脳梗塞*9)(片麻痺)

4)前かがみ姿勢*4*11*16*18

パーキンソン病14*4*16*18

5)後弓反張*11*16

(弓そり緊張)

(1)破傷風15*11*14

(2)重症髄膜炎16*14

6)脊柱側弯姿勢*11

(1)特発性側弯

(2)坐骨神経痛側弯

(3)姿勢性側弯

7)脊柱後彎姿勢*4

(1)脊椎カリエス17*4 (2)くる病

8)脊柱直立姿勢

強直性脊椎炎18

 

3.肥満

 1)単純性肥満*16体質的やカロリー過剰摂取*16による(肥満全体の90〜95%を占める*18

 2)症候性肥満*16

  (1)クッシング症候群19*8*13*14*16(→中心性肥満20*8

  (2)インスリノーマ21*11

  (3)甲状腺機能低下症*18(粘液水腫)

 

4.るいそう(やせ)

 1)単純性やせ*16:食物摂取不足やダイエットが原因となる

 2)症候性やせ

  (1)精神的影響神経性食思不振症22*14

  (2)内分泌疾患

   A.甲状腺機能亢進症*14バセドウ病23*11*13

   B.下垂体機能低下症 (シーハン症候群24*8*10*11*13

   C.副腎皮質機能低下症(アジソン病25*8*14*18

   D.糖尿病26Ⅰ型*13

  (3)消化器疾患 クローン病27*11栄養吸収不良*16

  (4)悪液質28*16重症ないし慢性消耗疾患*16(癌など)の末期に高度のるいそうが生じる

 

5.意識障害

 

状 態

1)清明

正常(意識がはっきりしている)

2)傾眠*11

軽い刺激で目をさまし反応するが、刺激をやめると眠る

3)昏迷*5*11*17

軽い刺激では反応しないが、痛みや大きい音などには反応する*17

4)昏睡*5*11*17

いかなる刺激にも反応しない*5*17*19

1)無欲状態

意識はあるが、周囲に関心を示さずぼんやりした状態

2)失神*5*17

意識が一過性に短時間失われる状態*17*19

3)せん妄*5*8*11*17

外刺激に反応せず*5*17幻覚や妄想などが生じ*11興奮状態で意味

不明なことを口走る*7

4)もうろう状態

もうろうとして注意力、記憶力が低下する状態

 

6.知能

 1)知的障害*19 :生まれつき知能の発育が遅れているもの

 2)認知症*19  :一度発達した知能が低下する場合(以前は痴呆*7*8と呼ばれていた)

 

7.感情の変化

 1)不安状態*8 :強い不安を感じ、不安神経症などでみられ、自律神経症状を伴うことが多い

 2)抑うつ状態*8:絶望感、自責感などが現れ、ささいなことを心配する

 3)躁状態   :気分が高揚し、外界を無視して感情を表し、行動に移す

 4)多幸感   :異常な誇張された爽快気分をいい、躁状態と異なり、行動の促進はみられず、

         脳の器質的疾患でみられる

 

8.異常運動

 1)痙攣の原因29

  (1)てんかん30*13

  (2)破傷風31

  (3)テタニー32*14低カルシウム血症*6*16過換気症候群*12

  (4)熱性痙攣

 2)筋弛緩障害:ミオトニア33*9*14筋緊張性ジストロフィー症34

 

 3)振戦*3*5*9不随意的に出現する律動的な振動運動*7*9

特徴

名称

疾 患

(1)周期が短く、振幅の小さな振戦

 

バセドウ病など

(2)粗くて、遅い安静時振戦*17

丸薬まるめ運動*6

パーキンソン病*5*6*16

(3)行動しようとするときだけにみられる振戦

企図振戦*3

多発性硬化症35*3

小脳変性症

(4)手を前方に伸ばし背屈させると上肢を不規則に屈伸し鳥が羽ばたくようにみえる振戦

羽ばたき振戦*6*16*17

肝性昏睡36*5*17肝硬変*16

(5)腕を側方に上げ、そのまま保持させると腕を激しく上下させ、羽ばたくように動かす

羽ばたき運動

ウイルソン病37*5*6

 

 4)不随意運動:錐体外路系の障害38によってみられる運動過多

名 称

特 徴

原因疾患

(1)舞踏病様運動*17

連続性で非反復性の踊るような運動

小舞踏病39

ハンチントン舞踏病40*16

(2)アテトーゼ*9*17

緩徐な持続性運動で、指を虫がはうようにくねらす*7

脳性小児麻痺41

(3)チック*9

筋肉が無目的性に運動を反復する

(顔をしかめる、舌鼓など) 

神経症,習慣性など

(4)ミオクローヌス*9*12

一部の筋が突発的にすばやく収縮*7

脳炎・脳炎後遺症

(5)ジスキネジア*14

明らかではない不随意運動の総称

 

(6)ジストニア*14

体部の捻転、回転が緩徐に起きる

ウイルソン病

 

 5)麻痺

 

疾 患

(1)障害部位による分類

 

 

A.中枢性麻痺

a.脳血管障害、b.筋萎縮性側索硬化症42c.仮性球麻痺43

B.末梢性麻痺

a.末梢神経損傷、b.ギランバレー症候群44c.球麻痺45

(2)麻痺性状による分類

 

 

A.痙性麻痺*4

中枢性麻痺

B.弛緩性麻痺

末梢性麻痺

 

 6)運動失調

  (1)定義:協調が障害され、不安定でぎこちない運動が生じる

  (2)検査方法

 

A.脊髄性運動失調*11

B.小脳性運動失調

C.前庭性運動失調

a.原因疾患

脊髄癆46

小脳腫瘍

メニエール病47

b.ロンベルグ徴候48

強度の陽性

陰性

中等度陽性

c.視覚補正*11

*11

 

9.歩行

 

原因疾患

特 徴

1)間欠性跛行*3*7*9*16*17*18*19

(1)バージャー病49*3*4*13*17*19

下肢閉塞性動脈硬化症

(2)腰部脊柱管狭窄症50*9*18

歩行を持続すると、疼痛などにより歩行

が困難になるが、休むと歩行可能

2)トレンデレンブルグ歩行*16

(1)先天性股関節脱臼*18

(2)中殿筋麻痺

患側下肢で起立すると、健側骨盤が下降*16

3)片麻痺歩行

分回し歩行*3*4*6

脳血管障害*18(片麻痺)

(一側錐体路障害)

麻痺下肢を外転しながら円弧を描き歩く

4)はさみ状歩行*4*7*19

はさみ脚歩行*16

脳性小児麻痺*4

(両側錐体路障害)

下肢を伸展したまま、足を交差して歩く

5)失調性歩行*3*6*7*19

 

 

 

(1)小脳性

小脳腫瘍*3、小脳疾患

体幹動揺がひどく、酩酊性歩行

 

(2)脊髄性(踵打ち歩行)

脊髄癆(脊髄後索障害)

歩幅が大きく踵を地面に叩きつけて歩く

6)小歩症*17突進歩行

パーキンソン病*3*4*7*10*17*18

(1)すくみ足*10 (2)小歩*17 (3)前方突進*4*7*12*19

7)麻痺性歩行

鶏歩*3

(総)腓骨神経麻痺

前脛骨筋麻痺*3*4

尖足のため足を高く上げ最初につま先

最後に踵をつけて歩く

8)動揺性歩行

アヒル歩行*3*6

進行性筋ジストロフィー51*2*3*6*17    

後方に反りかえり腰を左右に振って歩く

ガワース徴候52登はん性起立*2*10]陽性

9)随意性跛行

(1)小児股関節結核

(2)ペルテス病53

朝、股関節回旋・過伸展が制限され跛行する

が疼痛が軽いため意識すると跛行しない

 

10.皮膚の状態

 1)色調の変化

 

疾 患

原因・出現部位

(1)蒼白

貧血*18、レイノー現象、ショック

[ヘモグロビンの減少]

眼眼臉結膜、歯肉、爪床が蒼白

(2)チアノーゼ*2*5*6*14*15*16*18

心不全*14右心不全*15左心不全*18ファロー四徴*5*14*16*19心臓弁膜症気管支喘息静脈血栓症

[還元ヘモグロビン増加]

鼻尖、口唇*5や爪甲部等が紫色

(3)黄疸*16

溶血性貧血*16肝炎・肝癌・肝硬変*18、胆石症

[ビリルビン濃度が上昇]

溶血性・肝細胞性・閉塞性黄疸

(4)黒色・褐色

アジソン病*19

メラニン色素沈着*19

(5)紫斑*17*19

(アレルギー性)紫斑病*18再生不良性貧血*15*17血友病骨髄腫急性骨髄性白血病*17悪性リンパ腫突発性血小板減少性紫斑病*15播種性血管内凝固*17

[組織内出血]

(6)紅斑

肝硬変54全身性エリテマトーデス55*19

[毛細血管拡張]

 

 2)浮腫

  (1)局所的浮腫:クインケ浮腫56、(局所の感染、外傷)

  (2)全身性浮腫

 

原因疾患

出現部位

A.心臓性浮腫

心不全

下肢(足首付近) →全身

B.腎性浮腫

腎不全、腎炎、ネフローゼ症候群

初期顔面(上眼瞼)→全身

C.肝臓性浮腫

肝硬変*16(重症肝障害)

腹水←→全身

 

 3)発疹

 

名 称

状 態

疾 患

(1)原発疹(健康な皮膚に原発)

A.結節

皮膚から半球状、扁平に隆起

オスラー結節57

B.水疱

表皮内に漿液が貯留した半球状隆起

帯状疱疹(有痛性)*13、単純性疱疹

(2)続発疹(原発疹から続発)

 潰瘍

真皮、皮下組織まで達する組織欠損

ベーチェット病、褥瘡

 

 4)発疹をきたす全身疾患

特 徴

(1)ベーチェット病58*7

口腔粘膜・陰部潰瘍、(ぶどう膜炎*7)など

(2)感染性心内膜炎

オスラー結節

 

 5)レイノー現象*2*5*19     

  (1)誘発刺激 :寒冷刺激*2(振動)

  (2)発現部位 :手指*2(四肢末梢部)

  (3)色調の変化:蒼白*2→チアノーゼ→充血*2(発赤) 

  (4)原因疾患 :レイノー病、膠原病(強皮症59*2*5[全身性進行性硬化症*12]、全身性エリテマトーデス60)、閉塞性血栓血管炎、神経血管症候群*19(斜角筋・頚肋症候群61*12、振動工具常用[振動病*12])

 6)クモ状血管腫*1*5*6顔面や前胸部で毛細血管が拡張し中心部から放射状に拡がり、クモの肢状

            疾患:肝硬変*1*5

 7)爪の異常

  (1)スプーン状に陥凹:[スプーン・ネイル*5*13*14*15*16鉄欠乏性貧血62*5*13*14*15

  (2)縦横に凸状   :[太鼓のばち指*5*6*14*18ファロー四徴肺気腫*5*6*14*18

 

11頭部、顔面の視診

 1)顔貌

名 称

原因・疾患

(1)仮面様顔貌*6マスク様*1*3

パーキンソン病*1*3

(2)ヒポクラテス顔貌

消耗性疾患(癌末期)

(3)満月様顔貌*1*5*6*8

クッシング症候群*1*5*6

 

 2)眼瞼

  (1)上眼瞼下垂*2*3*5*6*10

   A.動眼神経麻痺*2*5

   B.重症筋無力症63*1*2*3*5*6*7*10*16

   C.頸部交感神経麻痺*10

  (2)閉眼不可能:顔面神経麻痺*10ベル麻痺*5*13

   A.兎眼64

   B.ベル現象65*1*6*14の確認

  (3)眼裂開大66*19ベル麻痺*19(特発性末梢性顔面神経麻痺)    

 3)眼球

  (1)眼球突出*2*3バセドウ病

  (2)共同偏視67*6脳血管障害68*6 

  (3)斜視    :先天的、外眼筋麻痺、重症筋無力症*7   自覚症状→複視*14

  (4)眼振69*6  :平衡覚障害脳血管障害アルコール中毒、極度の近視など

  (5)縮瞳*14   :ホルネル症候群70

  (6)散瞳    :動眼神経麻痺

 4)眼瞼結膜蒼白  貧血    

 5)眼球結膜黄染*2*6黄疸*2胆石症*6

 6)鼻       :[(赤)鼻性ざ瘡*13]肝硬変*13、アルコール常飲者

 7)口腔・咽頭

  (1)口唇

   A.口角びらん*15   :ビタミンB2欠乏症

   B.有痛性小水疱→痂皮    口唇ヘルペス*5単純性ヘルペス

  (2)口腔粘膜

   A.小水疱、潰瘍、周囲の発赤:[アフタ*5*6*9再発性アフタ*16

                 ベーチェット病*6*9*16、ビタミンB2欠乏

   B.頬部粘膜に白色隆起状斑点*19コプリック斑*5*6*9*13*16麻疹*5*6*9*19

   C.咽頭粘膜に偽膜形成*15  ジフテリア*15*16

  (3)

   A.著明な発赤、舌乳頭の腫脹:[イチゴ舌*5*6*9*13*16猩紅熱71*5*6*9*15*16

   B.舌乳頭萎縮+舌炎合併  :[ハンター舌炎72*5*9*15*16悪性貧血73*6*9*16

   C.黒色斑歯肉色素沈着*6):アジソン病

 

12.頚部の視診

 1)頭部が一側に傾く  [斜頚]先天性筋性斜頚、後天性(炎症性斜頚など)

 2)甲状腺腫大*16    バセドウ病*16、橋本病、甲状腺腫瘍

 3)側頚部に過剰な皮膚  :[翼状頚*6ターナー症候群*6*16

 

13.胸部の視診

 

名 称

疾 患

1)前後が横径より大で樽状

樽状胸*6*10

肺気腫74*6*10

2)胸骨・剣状突起部が著明に陥凹

漏斗胸*6

マルファン症候群*6、先天的

3)胸骨下部が突出し両側扁平

鳩胸*6

くる病

 

14.腹部の視診

 1)腹壁

  (1)腹壁静脈の怒張75*11

   A.肝硬変*6門脈閉塞*11門脈圧亢進症)[メズサの頭*6

   B.下大静脈血栓症

 (2)赤色皮膚線条76*6クッシング症候群*6*11

 2)腹部全体の膨隆*6 :腹水*12、卵巣嚢胞77、腸閉塞

 3)腹部全体の陥凹*6 :急性汎発性腹膜炎(初期)

 

15.手の変形

 

疾 患

1)猿手*4*6

正中神経麻痺*4筋萎縮性側索硬化症78*6、脊髄性進行性筋萎縮症79

2)鷲手*4*6

尺骨神経麻痺*6など[フローマン徴候80]陽性

3)下垂手*4[落下手]

橈骨神経麻痺*4

4)スワンネック変形*14

 

5)ボタン穴変形

関節リウマチ*6*14

6)手指尺側偏位*6

 

7)ヘバーデン結節81*14

変形性関節症の一種

8)鋤手

先端肥大症

9)クモ状指

マルファン症候群

10)太鼓ばち指82*5*6*14

ファロー四徴83肺気腫*5*6*14、原発性肺がん

 

16.足の変形

1)尖足*4

(総)腓骨神経麻痺*6→[鶏歩]

2)踵足*6(鈎足)

脛骨神経麻痺*4

 

III打診

1.打診の意義   →Text参照

2.打診音の種類

 1)清音84:正常肺野*7

 2)濁音85*7

  (1)絶対的濁音:心臓*7肝臓*7(含気量の少ない実質臓器)、大腿部*7

  (2)比較的濁音:心臓周辺部(清音と濁音との中間)

 3)鼓音86    :胃・腸管(嚢状内に空気・ガスが存在)

 *)体位変換現象::胸水・腹水など体腔に水が貯留すると体位変換により水が移動し打診音が変化する

         胸水・腹水貯留部位→濁音*3*5*12

 

3.胸部の打診

 1)肺野の打診

  (1)濁音がみられる87

   A.肺炎*16、肺化膿症88、腫瘍、無気肺89*16*19肺水腫*16

   B.胸水貯留*19、胸膜炎(胸膜の肥厚による)

  (2)過共鳴音90*13

   A.肺気腫*13*16*18

   B.気胸*9鼓音*9*16

 2)肺肝境界     右鎖骨中線上で、第6肋間(右肺と肝臓の境界)

  肺下界の下降*7*19 :肺気腫*6*19

 3)心濁音界

  (1)相対的心臓濁音界:心臓の形、大きさをあらわす(絶対的濁音界→臨床的意義はない)

  (2)正常位置

   A.右界:胸骨右縁

   B.上界:第3肋骨

   C.左界*5鎖骨中線やや内側*5

  (3)濁音界の拡大*19心臓肥大、心膜炎*19心のう水貯留*6

  (4)濁音界の移動  :A.腹水貯留、妊娠    B.縦隔腫瘍などによる心臓の移動

 

4.腹部の打診:正常→鼓音

 1)鼓音の増強+腹部膨隆鼓腸*3麻痺性イレウス*6などで空気が増量)

 2)濁音

  (1)腹水貯留(体位変換現象91がみられる)

  (2)実質臓器(肝臓)の腫大*3腫瘤*6

 

Ⅳ.聴診

 

1.聴診の意義:→Text参照

 

2.肺の聴診 (安静呼吸では呼吸音が聞こえないため*17、深呼吸で行う)

 1)呼吸音の種類

  (1)正常呼吸音 

   A.気管(支)呼吸音

    原因:気管気管支の空気の流れによる振動による

    特徴:高音性で、呼気・吸気時に聞かれる

    部位:限局→喉頭、気管、肩甲間部(第4胸椎の高さ)

   B.肺胞呼吸音

    原因:肺胞が拡張するときの音

    特徴:低音性で、主に吸気時のみに聞かれる

    部位:肺野の大部分

  (2)異常呼吸音

   A.乾性ラ音(連続音)

    原因:粘稠性分泌物の貯留、気道の狭窄

    特徴:笛声音(ヒューヒューなど)

    疾患:気管支炎、気管支喘息*5、気管支拡張症92

   B.湿性ラ音(断続音)

    原因:流動性分泌物の貯留

    特徴:水泡音(ブツブツなど)

    疾患:気管支炎、肺炎、肺結核、肺うっ血93肺線維症*19

   C.胸膜摩擦音

    原因:壁側胸膜と臓側胸膜との摩擦による

    特徴:握雪音(ギシギシなど)

    疾患:乾性胸膜炎*6

 

 2)呼吸音の異常

  (1)呼吸音増強  :気管支炎、肺炎、肺結核

  (2)呼吸音減弱  :胸水貯留*12気胸*8*9*11*12

  (3)声音聴診減弱94*11*18*19胸水貯留*11気胸*17*18*19、胸膜肥厚
 

3.心臓の聴診

 1)正常心音

  (1)第Ⅰ音*9

   特徴:心室収縮と同時に起こる*9音で、低く鈍く長い音(ズー)

   原因:房室弁(僧帽弁、三尖弁)の閉鎖音+心筋収縮音による

  (2)第Ⅱ音

   特徴:心室収縮期の終わりに生じ、高く短い音(トン)

   原因:月弁(大動脈弁、肺動脈弁)の閉鎖音による

 2)異常心音、心雑音

  (1)心音増強   甲状腺機能亢進症*8(、心臓弁膜症、不整脈、精神的興奮、運動直後)

  (2)心音減弱   肺気腫*6*9、心嚢水貯留(心タンポナーデ95*3)、心筋梗塞*3、心筋炎

  (3)心雑音*3   弁膜症*3、先天性心奇形(血流の乱れによる振動により生じる)

    機能性心雑音96:貧血、甲状腺機能亢進症*11などで収縮期雑音*11として聞かれる。

  (4)心膜摩擦音*9:急性心膜炎*9(壁側、臓側心膜の摩擦による)

 

4.腹部の聴診

 1)グル音

  原因:腸管蠕動運動で、空気と内容物が移動するために聞かれるグルグルという音

  増強:腸管通過障害*6、急性腸炎(狭窄、閉塞部より上部の蠕動運動の亢進による)

  消失:麻痺性イレウス*5*6*8*11急性腹膜炎*4*10*19 (蠕動運動の停止*3による)

 2)血管雑音*19

  原因:腹大動脈や腎動脈の狭窄や部分拡張による血液の乱流や渦流による振動

  疾患:腹部大動脈瘤、大動脈炎症候群97*6*8*9*19、動脈硬化など

 

V触診

1.触診の意義     →Text参照

2.触診時の注意点*1*4    →省略(Text P42

3.皮膚・皮下組織の触診

1)代表的な圧痛点98

 

名 称

部 位

(1)胃潰瘍99

A.ボアス点*14

第10〜12胸椎棘突起の側方3㎝*4

B.小野寺殿部点*11

腸骨陵下方3〜4㎝(上前腸骨棘と上後腸骨棘の中間)

(2)虫垂炎

A.マックバーネー点*11*14*19

右臍棘線上(右上前腸骨棘と臍をを結んだ線)で

(1)上前腸骨棘から約5㎝、(2)外1/3と中1/3の境界点

B.ランツ点*11*14*19

棘間線上(左右上前腸骨棘を結んだ線)で右外

1/3と中1/3の境界点*14

C.ムンロー点*14

右臍棘線と腹直筋外縁との交点

D.キュンメル点*19

臍の右下1〜2cm

 

 2)皮膚・皮下腫瘤:良性の皮下腫瘤は一般的に可動性がよい*19

 

4.筋肉の触診(左右同部位を比較*2し、四肢周径も参考になる*2)

 1)筋萎縮(触ると柔らかく、力を入れさせても硬くならない*2*4)

  (1)四肢全域筋緊張性ジストロフィー症100

  (2)四肢遠位筋萎縮性側索硬化症

  (3)四肢近位進行性筋ジストロフィー症デュシェンヌ型101

 2)病的筋肥大[仮性肥大102]:進行性筋ジストロフィー症デュシェンヌ型

 3)筋緊張(筋トーヌス)  :筋の生理的な緊張

  (1)筋トーヌス亢進(硬く感じる)

   A.痙直(痙縮)

    特徴:折りたたみナイフ現象(他動運動で最初は抵抗が強く後に抵抗がなくなる)

    疾患:錐体路障害*5(片麻痺)

B.硬直(固縮)

    特徴:鉛管現象*4*5(他動運動に対して最初から最後まで同じ抵抗)

    疾患:錐体外路障害*5(パーキンソン病)

  (2)筋トーヌス低下(軟らかく感じ、他動運動への抵抗の減弱)

   A.麻痺を伴わない低下:小脳疾患*5  (振り子様運動103*6

   B.麻痺を伴う低下  :末梢神経麻痺*5(弛緩性麻痺)

 

5.障害部位による特徴

 

筋緊張

不随意運動

深部反射

病的反射

一次性筋萎縮*13

1)錐体路障害

亢進*13(痙直)

(-)

亢進

(+)

  *13

2)錐体外路障害

亢進(硬直)

(+)

正常

(-)

(-)

3)下位運動ニューロン障害

弛緩

(-)

減弱・消失

(-)

(+)

4)筋肉障害

弛緩

(-)

減弱・消失

(-)

(+)

5)神経・筋接合部障害

弛緩(疲労時)

(-)

正常が多い

(-)

  (±)10%

 

6.骨・関節の触診

 1)体表から触知できる骨性目標*1 →省略(Text P139参照)

 2)関節の触診(関節の熱感、圧痛、腫張

  (1)関節周辺の腫瘤  ガングリオン(手関節背部に多い)*3

  (2)膝関節液貯留検査法膝蓋骨跳動104*3

  (3)関節包肥厚    :炎症の長期間の持続(慢性関節炎*3

 

7.胸部の触診

 1)女性化乳房105*17:[肝硬変*17]

 

8.腹部の触診

 1)主要臓器の位置*5

  (1)胃:心窩部

  (2)小腸:臍部

  (3)大腸[A.上行結腸:右腸骨窩・右側腹部、B.横行結腸:臍部、C.S字結腸:左腸骨窩]

  (4)肝臓*5*13:右季肋部

  (5)胆のう右季肋部*16

  (6)膵臓*5*13:心窩部

  (7)脾臓*5*13:左季肋部

  (8)腎臓*5*13:左右側腹部

 

 2)腹壁緊張状態の触診

  (1)腹壁筋肉が硬い  :[筋性防御106*4*10](腹壁板状硬*10*16

   (2)反動痛107*4*10      触診時、圧迫する時よりも手を放した瞬間に強い疼痛[ブルンベルグ徴候*11*19

 

9.リンパ節の触診

 1)表在リンパ節*18触診部位*2 頸部*18側頸部*2、下顎部、鎖骨窩、腋窩*18鼠径部*18、肘窩、膝窩

 2)リンパ節腫脹をきたす疾患

疾患名

特 徴

(1)二次(化膿)性リンパ節炎*4

軟らかく、圧痛*4、発赤がみられる

(2)リンパ節結核*4

疼痛*4、発赤、熱感はない

(3)悪性リンパ腫*4

硬く、発赤・局所熱感・圧痛*4はない

(4)悪性腫瘍のリンパ節転移*4

硬く、表面不整で、圧痛*4はない

[ウイルヒョーリンパ節腫大108

 

 

VI.生命徴候*18(生命活動を示す最も基本的な徴候で、体温、呼吸、脈拍、血圧*18の4つをいいバイタルサインとも呼ばれる。)

1.体温

 1)測定部位腋窩温<口内温<直腸温109*18

 2)正常体温と生理的変動:36.0〜37.0℃の範囲で、午前2時〜4時頃に最低、午後2時〜6時頃(夕方)に最高*18

 3)発熱(一般に体温が37℃を超えるときをいう*5

  (1)熱型

名 称

特 徴

疾 患

A.稽留熱*4

体温が持続的に高く日内変動が1℃以内

髄膜炎、大葉性肺炎、腸チフス*8*14

B.弛張熱*4*18

体温が持続的に高く日内変動が1℃以上

で37.0℃以下には下がらない

敗血症110*4*8*14膠原病*4

肝膿瘍111*8*14

C.間欠熱

日内変動が1℃以上で低いときには正常

体温まで下がる

弛張熱と同様の疾患

D.周期的熱*4

周期的に高熱期、無熱期をくり返す*14

マラリア112*4*8*14*18

*.波状熱

不規則に高熱期、無熱期をくり返すもの

ホジキン病113

 

  (2)微熱持続疾患*4バセドウ病*4貧血結核など

 

 4)低体温(体温が36.0℃未満のとき)

  (1)持続的低体温*16*18甲状腺機能低下症*12*16*18、慢性消耗性疾患

  (2)急激な体温低下  :外傷、大量出血、急性重篤疾患

 

2.血圧(血圧には日内変動がある*17血圧は動脈の血管内圧をいう *19

 *)測定値

  (1)最大血圧*2*17心臓収縮期における血圧*10*17

  (2)最小血圧   :心臓拡張期における血圧

  (3)脈圧*5    :最大血圧と最小血圧の両者の差*5

 1)測定方法

  (1)触診法マンシェット(圧迫帯)を上腕に巻き*3、橈骨動脈を触診しながら空気    を送り脈拍が触れなくなった時点から20〜30mmHg圧を加える。ついで1心拍ごとに2〜3mmHgの速さで空気を抜き、脈拍の触れ始めるときを最高血圧とする。

   A.触診法の欠点

    a.最小血圧は測定できない*2*3*5*17*19

    b.最大血圧は聴診法より低く測定*3*13*19

  (2)聴診法:肘窩で上腕動脈*3の拍動が触れる部位に聴診器を当て、触診法と同様に空気を送    り、徐々に抜き、血管音の変化によって最高血圧、最低血圧を求める。

   A.血管音と血圧値

スワンの各点

血管音の変化

測定血圧

a.第1点*17

血管音が聞こえ始める*19

最大血圧(収縮期血圧*17*19

b.第4点

突然、血管音が小さくなる

第5点の無い場合114に使用

c.第5点

血管音が消失する

最小血圧

 

 2)WHO血圧基準*1*2*10WHO・ISHの基準[1999])

 

正常

正常高値

高血圧

 

最大血圧

 130mmHg未満

正常域と高血圧域との

中間の血圧値

  140mmHg以上

 

最小血圧

  85mmHg未満

  90mmHg以上

 

最大・最小血圧が異なる分類に属する場合は高い分類を適用*19

 

 3)高血圧115の分類

  (1)本態性高血圧(一次性;原因の明らかでないもの)

  (2)二次性高血圧*15(症候性;種々の原因による)

   A.腎性(腎炎、糖尿病性腎症、膠原病)            

   B.内分泌性褐色細胞腫*15*19クッシング症候群*19原発性アルドステロン症*15) 

   C.神経性(頭蓋内圧亢進など)

   D.心血管性(大動脈閉鎖不全症*15など)

 4)低血圧の基準

  (1)男性→最大血圧 100mmHg未満

  (2)女性→最大血圧 90mmHg未満*2

 

3.脈拍

 1)検脈部位*11(橈骨動脈、上腕動脈、頚動脈、膝窩動脈*11大腿動脈*11足背動脈*11など)

 2)脈状の種類

  (1)脈拍数

   A.頻脈

    a.基準:成人で100回/分以上の場合       

    b.疾患

     1.甲状腺機能亢進症116*4バセドウ病*8*10*14

     2.貧血*1*2*3*10*14*15*16

     3.発熱117*14

     4.心不全

     5.精神的緊張*2・運動後

   B.徐脈

    a.基準:成人で60回/分以下の場合

    b.疾患

     1.脳圧亢進118*1*12*15

     2.迷走神経亢進症(ワゴトニー)

     4.スポーツ心臓*15

     5.甲状腺機能低下*16粘液水腫*3

     6.アダムス・ストークス症候群119*1*8*14*15

 

  (2)脈拍の大きさ(動脈の拍動の振幅で、収縮期と拡張期の間の動脈壁の動きの幅)

   A.大脈*16大動脈弁閉鎖不全症120*1*10*16、甲状腺機能亢進症、高熱時

   B.小脈  :大動脈弁狭窄症121など

  (3)脈拍の緊張度(強さ)

   A.硬脈*2 :強い力で圧迫しないと拍動が消失しないもの:高血圧     

   B.軟脈  :弱い力の圧迫で拍動を触れなくなるもの :低血圧、ショック*2

(4)脈拍の遅速(脈拍の拍動の振幅の変化する速さ[頻脈、徐脈との違いに注意])

   A.速脈(変化が急) :大動脈弁閉鎖不全症*1*2*4甲状腺機能亢進症*3*4貧血*4

   B.遅脈(変化が緩徐):大動脈弁狭窄症

 

 3)不整脈(脈拍のリズムが乱れているもの[心拍不整を示す])

名 称

特 徴

疾 患

(1)洞性不整脈

吸気時に脈拍数が多く、呼気時に少ない

迷走神経興奮122

(2)期外収縮

起こるべき心拍より早期に起こったもの

(脈拍は欠滞して触れないことがある)

心疾患、ジギタリス中毒123、健常者

(3)絶対性不整脈

脈拍の間隔、強さ、大きさが不同で不規則

心房細動124

(4)心ブロック

洞結節より心室への刺激伝導障害

房室ブロック125

(5)交互脈

脈拍の大きさが交互に変わるもの

心筋梗塞*10心筋炎*8

(6)奇脈*2*5

吸気時に脈拍が小さくなり時に触れない*5

心膜炎、縦隔腫瘍

 

4.呼吸

1)異常呼吸

 

状 態

疾 患

(1)チェーン・ストークス呼吸*5*11*12

はじめ小さい呼吸が生じ、次第に大きい呼吸となり、極めて大きな呼吸となった後に小さくなり無呼吸となる周期的呼吸

予後不良の徴候126

(重症心・腎・脳疾患や薬物中毒等)

(2)クスマウル呼吸*10*11*12

異常に深く大きく、かつ数も増加した呼吸

糖尿病性昏睡、尿毒症127*10*11

(3)ビオー呼吸*11*12

急速に短い呼吸を4〜5回行った後、無呼吸(10〜30秒)となり、その後再び呼吸する

脳圧亢進時

(4)過換気呼吸*11*12

突発的な過呼吸(数・深さ増加)が生じ四肢等のしびれが発現し、呼吸困難を訴える

過換気症候群

 

 2)肺活量:肺活量は年齢、性、身長によって差があり、体位によって変動する*5

 

VII.知覚検査

1.表在知覚*18(皮膚または粘膜の知覚)

 1)触覚*8*18

 2)痛覚*8*18

 3)温度覚*8*18

2.深部知覚128*8(骨膜、筋肉、関節から伝えられる知覚で異常時には脊髄後索の障害が疑われる

 1)関節覚(a.位置覚、b.運動覚

 2)振動覚*18

 3)深部痛覚

 

VIII反射検査

1.意義:反射弓の障害や反射弓に抑制をかけている上位中枢(錐体路129)の障害診断

2.分類

  (1)表在性反射

   A.粘膜反射

   B.皮膚反射

    消失、減弱→a.反射弓障害   b.錐体路障害

  (2)深部反射

   A.消失、減弱反射弓障害130*16

   B.亢進*4*16錐体路障害*4*16

  (3)病的反射 :出現*4錐体路障害*4

  (4)クローヌス出現 →錐体路障害*17

  (5)自律神経反射(臓器反射)

 

 

分 類

名 称

反射中枢

(1)表在性反射*2*5*10*19

 

 

A.粘膜反射

a.角膜反射*10*19

 

b.鼻粘膜反射

脳幹、上部頚髄

 

 

c.咽頭反射*5

延髄

 B.皮膚反射

a.腹壁反射*2*5*13

上部[Th 6〜9] 中部[Th 9〜11] 下部[Th11〜L1]

 

b.挙睾筋反射

L1

 

c.足底反射*13

S1,2

 

 

d.肛門反射*1*2*13

S4,5

(2)深部反射*1

A.眼輪筋反射

 

B.下顎反射*1*2*5*13*19

 

C.二頭筋反射*1

C5,6

 

D.三頭筋反射

C6,7

 

E.橈骨反射*5

C6〜8

 

F.尺骨反射

C6〜8,Th1

 

G.膝蓋腱反射*2

L2〜4

 

H.アキレス腱反射131*1*15*19

S1,2

 

  (3)病的反射錐体路障害で出現する*11*14乳児では正常でも陽性となることがある*11

 

反射名

求心刺激

反射効果

A.下肢の病的反射*16

a.バビンスキー反射*1*11*14*16

足底外側を踵から足指に向け擦る

母指背屈*1*11

b.チャドック反射*16

外果の後下部をこする

母指背屈

c.オッペンハイム反射*16

脛骨前面を下方へこする

d.ゴルドン反射*1*4

腓腹筋を強くつまむ*1

e.シェーファー反射*4

アキレス腱を強くつまむ*1

B.上肢の病的反射*4

a.ホフマン反射*1*4

中指末端を屈曲し急に背側に放す

母指屈曲

b.トレムナー反射*4

中指末端を背側に向かってはじく*1

c.ワルテンベルグ反射*1*16

母指を除く4指の腹側に検者の指をおき、叩打する

 

  C.クローヌス[間代]:律動的反復運動をいい、錐体路障害時にみられる*17

  (4)自律神経反射(臓器反射)

   A.瞳孔反射*19

    a.対光反射:瞳孔に光を当てる→瞳孔が縮小する(反対側も同時に縮小→共感性対光反射)

      反射弓:視神経→中脳→動眼神経

    b.輻輳反射:視線を近くに注視させる→両眼が内側偏位(輻輳)→瞳孔が縮小する

      反射弓:視神経→後頭葉→動眼神経

    *.異常  :対光反射(—)輻輳反射(+)→アーガイル・ロバートソン徴候[脊髄癆132

   B.眼球心臓反射(アシュネル反射)

      反射弓:三叉神経→延髄→迷走神経

      方法 :両側眼球を指で圧迫→徐脈をきたす

      異常 :10回/分以上の減少 →迷走神経緊張状態で生じる

   C.頚動脈洞反射(ツェルマク・ヘーリング反射)

      反射弓:舌咽神経→延髄→迷走神経

      方法 頚部で一側の頚動脈洞を圧迫→a.徐脈  b.血圧降下をきたす

      異常 :10回/分以上の減少 →迷走神経緊張状態で生じる

   D.鵞皮反射(立毛筋反射):皮膚の摩擦、寒冷など→立毛筋収縮→鳥肌(2〜3秒で発現、30秒で消失)

       異常:a.交感神経亢進     →反射亢進

          b.脊髄交感神経中枢の障害→反射消失

 

第3章     検査法

I.生理機能検査

1.心電図検査*5

 1)不整脈(刺激生成・伝導異常)

 2)心房・心室肥大

 3)心筋梗塞*5・狭心症

 4)心膜炎

 5)電解質異常(K,Ca)

 6)心臓へ影響する薬剤

 7)全身性疾患(粘液水腫など)(→Text p98 表31参照)

2.脳波検査*18生理的な脳機能評価とともに、意識障害、てんかんの診断に有用*5*18

3.筋電図検査重症筋無力症,進行性筋ジストロフィー症,筋緊張性ジストロフィー症、末梢神経障害等が適応

 

                         注釈

[←1]

:主な成因は成長ホルモン産生下垂体腺腫による成長ホルモン過剰*3による

[←2]

:骨、軟骨、軟部組織、皮膚、臓器の肥大を呈する病態で、四肢末端の肥大、前額部・下顎の突出、鼻翼・口唇の肥大がみられる

[←3]

長管状骨の異常成長が生じる常染色体優性遺伝疾患。心臓弁膜症や眼症状(高度の近視)などを合併する

[←4]

:軟骨の骨形成が障害される疾患で、四肢が短い小人症がみられる

[←5]

:ムコ多糖症Ⅳ型とも呼ばれ、骨格異常による低身長や角膜混濁などを特徴とする

[←6]

:主としてビタミンDの欠乏によって起こり、成長の遅延と骨の変形をきたす

[←7]

:[クレチン病]新生児期に先天的に発症する甲状腺機能低下症(粘液水腫)で、発育障害、知能障害(知能低下*14)がみられる

[←8]

:下垂体前葉からの成長ホルモンの分泌低下による。

[←9]

:性染色体異常により女子のみにみられ、性腺形成不全、外反肘、翼状頸(側頚部に過剰な皮膚のたるみ)などがみられる

[←10]

:横臥位では下半身からの静脈還流が増加して、肺うっ血により呼吸困難が増悪するために起坐位をとる

[←11]

うっ血性心不全*16(左心不全)による肺うっ血や肺浮腫に続発する気管支収縮が原因となり、発作性呼吸困難がみられる

[←12]

:気道の可逆性狭窄による発作性の呼吸困難と喘鳴を主徴とする疾患

[←13]

:患側上肢は屈曲内転位(上腕の内転、肘関節・手関節・指関節の屈曲,前腕の回内)、患側下肢は伸展外転位(股関節の伸展・外旋・外転、膝関節 の伸展、足関節尖足位)をとる。

[←14]

:中脳黒質部のメラニン細胞の変性萎縮により錐体外路障害が生じる

[←15]

:破傷風菌が産生する毒素により、四肢の強直性痙攣や刺激に対する興奮性の亢進がみられる疾患

[←16]

:感染、化学的刺激、悪性腫瘍浸潤などによって生じた髄膜(くも膜と軟膜)の炎症をいう

[←17]

:結核菌による脊椎炎をいい、椎体骨端に発症して椎間腔の狭小や椎体破壊がみられる

[←18]

:脊椎、仙腸関節などに多発性の関節強直が生じ、可動性がなくなる

[←19]

:副腎皮質からの糖質コルチコイドの分泌が過剰となり、脂質代謝が亢進する

[←20]

:体幹を中心に肥るが四肢は正常

[←21]

:膵ランゲルハンス島腫瘍がインスリンを産生・分泌することにより、特に空腹時に低血糖症状が出現する。患者は低血糖発作を恐れ、それを避けるために過食する。

[←22]

:主に思春期の女子にみられる。やせ願望に基づいて発症し、極端な低体重と無月経をきたす。

[←23]

血中に存在する甲状腺刺激ホルモン受容体抗体の甲状腺刺激作用のため、甲状腺がびまん性に腫大し、甲状腺ホルモンの産生が高まり甲状腺機能亢進症をきたす

[←24]

:分娩時の大出血またはショックによる下垂体壊死が起こり、下垂体から分泌されるホルモンが全般的に減少し、月経不順や無月経、急激な体重減少、脱毛、易疲労感、低体温、性欲減退などを伴う

[←25]

:副腎皮質機能の低下により生じ、全身の皮膚・粘膜にメラニン色素の沈着や、低血圧、代謝低下がみられる

[←26]

:インスリンの不足により引き起こされる持続的高血糖状態を呈する疾患で、さまざまな合併症がみられる

[←27]

:長期にわたり、腹痛、下痢、微熱、体重減少が生じる

[←28]

:重度の栄養不足のため全身状態がきわめて不良で、予後不良の徴候*18とされている。カヘキシーとも呼ばれる

[←29]

その他、血管障害、副甲状腺機能低下症、洞不全症候群で痙攣がみられる*15

[←30]

:大発作では強直性痙攣に始まり間代性痙攣に移行。小発作では短時間の意識障害と眼瞼痙攣や手の痙攣を示す。

[←31]

:顔面筋が痙攣し、笑ったようにみえる→[痙笑]

[←32]

:四肢などの筋肉に有痛性の強直性痙攣がみられるものをいう。低カルシウム血症や過換気症候群で生じる

  上肢では母指は内転、他の4指は手指が伸展し、中手指節関節は屈曲する→[産科医の手]、[助産婦(師)手位]と呼ばれる

[←33]

:筋収縮後の速やかな筋弛緩が障害され,手を握った後にすぐにその手を開くことが出来ないなどの病態がみられる。筋活動電位が反復性に出現することによって起こる

[←34]

:筋の強直を主症状とする常染色体優性遺伝疾患

[←35]

:原因不明の脳脊髄の斑状脱髄を特徴とする遅進性の中枢神経疾患で、さまざまな神経症状がみられる

[←36]

:肝性脳症または門脈体循環性脳症とも呼ばれ、人格変化が意識障害に先行する

[←37]

:先天性の銅代謝疾患。肝臓や脳などに銅が沈着し、肝炎や不随意運動などをはじめとした様々の中枢神経系症状がみられる。

[←38]

:先天異常、出生時外傷、脳炎、血管障害、核黄疸(ビリルビンが大脳基底核周辺に沈着して脳細胞を障害する)などによる

[←39]

:[シデナム舞踏病]学童(5〜15歳)を侵し、数日〜数カ月で完治。リウマチ熱から発症する

[←40]

:常染色体優性遺伝疾患で我が国ではまれ。中年以降に発症し、後に知能低下・廃人となる

[←41]

:受胎から生後4週以内に脳に何らかの原因で損傷を受け、1)運動および姿勢の異常を示し2)その症状は一時的でなく永続的であるが、3)進行性に悪化することのないもの の条件を満たす障害をいう

[←42]

:上位運動ニューロンと下位運動ニューロンを選択的に侵す神経変性疾患で、進行性に経過し予後はきわめて不良

[←43]

:筋が萎縮するため、言語、嚥下、咀嚼などの障害をきたす。

  1)仮性球麻痺→核上性(皮質延髄路障害)

    2)球麻痺 →核下性(舌咽・迷走・舌下神経障害)

[←44]

:多発神経炎により神経細胞、神経核が障害され、弛緩性麻痺が発現。下肢から発現し上行傾向をとるものが多く、脳神経では顔面神経が侵されることが多い

[←45]

:仮性球麻痺の脚注を参照

[←46]

:梅毒の感染後5〜10年に生じる脊髄障害で、脊髄後根および後索に変性が生じる。

[←47]

:回転性めまい、耳鳴り、難聴が主症状となる内耳性疾患で、内リンパ水腫が原因と考えられている。

[←48]

:つま先をそろえ両足起立し、開眼時と閉眼時の身体のふらつきを比較する。差が大きければ陽性、差がなければ陰性とする

[←49]

:[閉塞性血栓血管炎*17]動脈に閉塞性の血管炎が生じ、四肢末梢部に阻血性変化をきたす

[←50]

:腰部の脊柱管や椎間孔が狭小となり、馬尾あるいは神経根が圧迫されて生じる

[←51]

:[デュシェンヌ型]遺伝疾患で男子のみにみられ、5歳以下で発症し腰帯筋などの近位筋の筋力低下、筋萎縮が生じる

[←52]

:[登はん性起立]臥位や坐位から起立するときには、大腿に沿って手をついて、よじ登るような動きで上半身を起こす

[←53]

:大腿骨頭への血行障害により骨頭の無腐性壊死が生じるが、疼痛は軽く運動時痛が主体となる

[←54]

:手掌紅斑がみられる

[←55]

蝶形紅斑*19がみられる

[←56]

:発作性、限局性の浮腫で、眼瞼、口唇、などに生じやすい

[←57]

:心内膜壁に生じた血栓栓子が飛び、手指、足指の腹側に、塞栓による有痛性の紅色の隆起した皮下結節が生じる

[←58]

:口腔内アフタ性潰瘍,外陰部潰瘍、皮膚症状,眼症状を主徴とする疾患

[←59]

:全身の結合組織における炎症性・変性病変による厚く硬い皮膚(皮膚硬化)を主症状とする原因不明の疾患

[←60]

:自己免疫疾患で、抗原抗体複合体が各臓器血管に沈着し炎症を起こす

[←61]

:斜角筋の異常緊張や、頚肋(頸椎部の肋骨)によって斜角筋三角部(前・中斜角筋と第1肋骨で形成)で腕神経叢、鎖骨下動脈が圧迫される病態

[←62]

:体内の鉄の不足によりヘモグロビン合成が障害されて起こる貧血で、貧血の中で最も多い

[←63]

:経筋接合部のシナプスにあるアセチルコリン受容体に対する抗体が存在し,自己免疫機序により受容体の破壊現象がみられる

[←64]

:眼を閉じることができない

[←65]

:閉眼させると眼裂の間から白い強膜がみえる

[←66]

眼輪筋の麻痺で、下眼瞼部の筋トーヌス低下によって下垂が生じる

[←67]

:両眼の一方向への偏位をいう(注視中枢→前頭葉)。前頭葉障害では患側と同側を、脳幹障害では患側と反対側を見る

[←68]

:眼球運動を支配する系路が大脳皮質から脳幹の核に至るまでの間で障害されることによる(前頭葉障害→同側、脳幹障害→反対側) 

[←69]

:眼球の一定方向への反復性不随意運動で水平・垂直・回転性がある

[←70]

:頚部交感神経麻痺によって生じ、1)上眼瞼下垂、2)縮瞳、3)眼球陥凹、(眼裂狭小)、顔面の発汗低下がみられる   

[←71]

:A群β溶血性連鎖球菌による感染症で、5〜15歳に好発する

[←72]

:乳頭の著明な萎縮のために舌の表面は平坦になり、炎症による発赤と潰瘍形成を伴うこともあり,灼熱感を自覚する

[←73]

:ビタミンB12の欠乏により生じ、巨赤芽球性(大球性)貧血に分類される

[←74]

:肺胞壁の破壊を伴う、終末細気管支より末梢の気腔の異常な拡大を伴う病態

[←75]

:門脈圧亢進時では臍静脈が門脈の側副血行路となり、臍を中心として放射状の静脈の怒張がみられる。下大静脈閉塞時では浅腹壁静脈が側副血行路となり、上行性の静脈怒張としてみられる

[←76]

:肥満のため皮膚が過度に伸展し、皮下組織が断裂して赤くみえる

[←77]

:卵巣の内部や表面にできる液体で満たされた袋(嚢胞)のことで、比較的よくみられ、そのほとんどは良性

[←78]

:上位・下位運動ニューロンの変性により、筋力低下や筋萎縮をきたす

[←79]

:原因不明で、下位運動ニューロンのみが障害される運動ニューロン疾患

[←80]

:左右の母指と示指で厚紙などを左右に引かせると、母指内転筋麻痺のために長・短母指屈筋が代償し母指末節が屈曲する

[←81]

:遠位指節間関節の背面部に骨結節が生じ、屈曲変形が生じる

[←82]

:原因は不明であるが、原発性肺がんの60%に出現するため、早期発見に有効とされている

[←83]

:心室中隔欠損、肺動脈狭窄、心室中隔への大動脈騎乗、右室肥大の4つの特徴がみられる心奇形

[←84]

:持続が長く、低調で、音量が大きく、振動(体表においた指に感じる)も強い

[←85]

:持続が短く、高調で、音量が小さく、振動も弱い

[←86]

:清音に比べ、持続は長くなく、高調で、音量は中ないし大で、太鼓を叩いたような音。弱く打診したほうがわかりやすい。

[←87]

肺組織の空気含有量の減少による

[←88]

:肺組織を破壊する肺炎あるいは感染症を肺化膿症と呼び、肺炎の重症型もしくは慢性型と考えられる

[←89]

:肺組織の空気含有量の減少による

[←90]

:清音に比べて持続し、低調で大きい。鼓音とも呼ばれる

[←91]

:胸水・腹水など体腔に水が貯留すると、体位変換によって水が移動し打診音が変化する(水貯留部位→濁音)

[←92]

:気管支が不可逆的な拡張をきたした病態。気管支の浄化作用が低下して細菌などが繁殖しやすい

[←93]

:左心または肺静脈に循環障害が生じた時に肺内に血液がうっ滞し、毛細血管が拡張した状態

[←94]

:低い声で発声させて聴診する方法

[←95]

心膜腔の貯留液により心拡張障害が生じて心音が減弱する

[←96]

臨床的意義は少ない*17

[←97]

:[脈なし病]原因不明で若い女性に多く、動脈の中膜壊死による鎖骨下動脈などの血管の狭窄・閉塞がみられる

[←98]

三叉神経の圧痛点は顔面部に存在する*19

[←99]

:潰瘍の存在部位に圧痛が一致するため胃潰瘍では上腹部触診の意義は高い*19

[←100]

:常染色体優性遺伝疾患で、筋萎縮は四肢遠位筋から始まり全身にひろがる

[←101]

:性染色体劣性遺伝疾患で、筋萎縮は四肢近位から遠位に進行する

[←102]

:筋肉は萎縮するが、その間隙が脂肪浸潤によって埋まり、肥大しているようにみえる(腓腹筋に多い)

[←103]

:四肢をゆさぶると、ブラブラする状態

[←104]

:膝伸展位で仰臥させ、膝蓋骨上縁・側縁部を圧迫し、示指で膝蓋骨を圧迫すると、関節液貯留時には膝蓋骨が反跳し、大腿骨と接触しコツコツ感が生じる

[←105]

:男性で女性の乳房のように腫脹し、硬い乳腺組織を触れる

[←106]

:壁側腹膜に炎症が波及していることを示す(汎発性急性腹膜炎*4*16など)

[←107]

:同上

[←108]

:左鎖骨上窩のリンパ節の腫大をいい、胃癌や左側肺癌から転移する

[←109]

:腋窩温に比べ、口内温は0.2〜0.5℃、直腸温は0.6〜1.0℃高い

[←110]

:細菌によって引き起こされた全身炎症性反応症候群をいい、細菌感染症の全身に波及したもので非常に重篤な状態

[←111]

:肝内に限局性に膿汁が貯留したもので、化膿性細菌によるものが全体の95%以上を占める

[←112]

:マラリア原虫の感染によって生じ、悪寒・発熱などの特有な熱発作や貧血および脾腫を主徴とする

[←113]

:リンパ節、脾臓、骨髄にみられるリンパ組織の悪性腫瘍

[←114]

:大動脈弁閉鎖不全症、重症貧血、甲状腺機能亢進症などで第5点が無くなる

[←115]

眼底所見は高血庄症の病態診断に有用である*19

[←116]

:房室結節の伝導時間が短縮するために頻脈が生じる また、心筋収縮力が増加し、循環血液量の増加、末梢血管抵抗の低下により心拍出量が増加する

[←117]

:1℃上昇ごとに8〜10/分多くなるといわれている。腸チフスでは体温上昇に比べ脈拍数の増加が軽度にとどまる

[←118]

:[頭蓋内圧亢進]迷走神経刺激による

[←119]

:房室ブロックにより40回/分以下の高度の徐脈が生じる結果、脳の虚血が引き起こされて痙攣や失神発作が発現する

[←120]

:血液が大動脈から左室へ逆流するため、左室の拡大、一回拍出量の増大、脈圧の増加がみられる

[←121]

:左室から大動脈への駆出障害のため、左室駆出抵抗の増大、心拍出量の低下がみられる

[←122]

:呼吸による生理的変化で、病的意義はない

[←123]

:うっ血性心不全で、特に高血圧性・虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)あるいは弁膜障害に用いられる薬剤による中毒。全身倦怠、消化器症状、眼症状、頭痛、錯乱等の神経症状等がみられる

[←124]

:心房が洞結節から伝播された刺激による規則正しい興奮収縮を行わず、心房内で発生した刺激に応じて、頻回に無秩序に興奮収縮を繰り返す状態

[←125]

:心房から心室への伝導が途絶または伝導遅延している状態をいう。第2度では心拍動が遅く不整脈が、3度では心房からの電気刺激が心室へまったく届かず、心室の拍動は、房室結節、ヒス束、心室の何れかにより行われ、高度の徐脈となる。

[←126]

:延髄の呼吸中枢や心臓の機能障害で生じる

[←127]

:腎機能低下により体液恒常性が維持できず、多臓器症状をきたす状態

[←128]

暗所で足もとがふらつく場合には、深部感覚(特に関節覚)の低下が示唆される*18

[←129]

:運動神経線維の遠心性経路で延髄の錐体を通る経路のことを錐体路といい、随意運動の指令を伝える。

[←130]

:末梢神経、脊髄前角細胞、神経根の障害

[←131]

:糖尿病による多発性神経炎で末梢神経障害が生じ、アキレス腱反射は減弱または消失する*15

[←132]

:梅毒の感染後5〜10年に生じる脊髄障害で、脊髄後根および後索に変性が生じる。

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