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一般臨床医学(内科)

一般臨床医学(内科)

 

 

[使用上の注意]

1.柔道整復国家試験出題基準(第2版)の記載項目、記載順序に基づいて作成しました。

2.現在の出題基準と比較すると相違する部分があることに留意して、自己責任で使用してください。

3.心不全*18 →下線部分は国家試験の出題部分を示し、番号は出題時期(第何回)を表しています。第19回までしか記載していません。

4.巨人症  は必修問題出題項目を表しています。

5.脳動静脈奇形1→脚注番号を挿入し、脚注内容をクリックで参照できるようにしました。元の場所に戻るには注釈の脚注番号をクリックしてください。

6.誤字・脱字等のミスがあるかと思いますが、ご容赦ください。

     

  1. 呼吸器疾患

 *.主要症状・所見*18

     1)出血喀血:呼吸器系からの出血*18

     2)喀痰:喀痰がある限り、鎮咳剤は有効ではない*18

      (1)膿性痰:気道感染

      (2)ピンク色泡沫状痰*18:肺水腫、肺うっ血

     3)胸水

      (1)滲出性胸水  :悪性腫瘍、肺炎、結核性胸膜炎など

      (2)漏出性胸水*18心不全*18、肝硬変、ネフローゼ症候群

 

1. かぜ症候群

定義 上気道(鼻、咽頭、喉頭)の急性カタル性炎症

病因    1)ウイルス(80〜90%を占める)

         2)細菌が混合感染、二次感染を引き起こす場合

症状    1)呼吸器症状(鼻汁・鼻閉、咽頭痛、咳嗽・喀痰)

        2)全身症状(頭痛、発熱など)

        3)インフルエンザでは重篤な全身症状が先行し、後に呼吸器症状がみられる

 

2. 肺炎*11

[病因]  細菌、マイコプラズマ*11、クラミジア、ウイルス、真菌、原虫、寄生虫など種々の病原体が原因となる。細菌性がもっとも頻度が高い。

     1)細菌:肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ・カタラーリス、グラム陰性菌(緑膿菌など)、レジオネラ菌*11

     2)真菌*11アスペルギルス*11、カンジダ、クリプトコッカス、ムコール

     3)原虫:ニューモシスチス・カリニ肺炎、トキソプラズマ、アメーバ

 

3. 肺結核*13

[定義]  ヒト型結核菌による肺感染症

疫学  1)結核死亡率は1950年146.4(人口10万人対)、1955年52.3、1988年3.2と減少したが、いまだ死因の20位以内にある。

      2)内因性再燃や若年者集団感染など患者の減少傾向鈍化。多剤耐性結核も問題。

      3)エイズ(後天性免疫不全症候群)により粟粒結核が増加*13

病因  1)感染経路:飛沫感染・塵挨感染

     2)転移経路:リンパ行性、血行性、管内性

[病態]  結核菌→気管支末梢・肺胞で定着(初感染病巣)→リンパ→肺門リンパ節(初感染結核)→多くは自然治癒→免疫が低下すると再増殖→二次結核が発現

症状  1)全身症状→ (1)発熱、(2)全身倦怠感など

     2)呼吸器症状(80%が訴える)→(1)咳嗽 (2)喀痰・血痰 (3)喀血 (4)胸痛

[合併]  粟粒結核(結核菌が血行性またはリンパ行性に胸管を経て大静脈に入り、肺、脾、腎、肝などに結核病巣を作る)

 

4. 気管支喘息*1*2*3*7*11*14*15*17

定義  (気道の可逆性狭窄)*1*15による(発作性の呼吸困難)*1*2と(喘鳴)*2を特徴とする(閉塞性換気障害)*14疾患

病因  1)(外因)型*7(アトピー型):原因が明らか→主としてアレルギー*2

     2)(内因)型 (感染型)  :原因不明  →気道感染、精神的要因?

[誘因]  食品、大気汚染*7、過労、気道感染*1、喫煙、ストレス、天候変化*3(台風、寒冷)、自律神経失調症*17

症状  1)発作性の喘鳴を伴う呼吸困難(呼気に著明*3*7*11で、呼気が延長し*15呼気性呼吸困難がみられる*17

     2)重症時には起坐呼吸*11、チアノーゼ

     3)喘息重積発作では致命的*1となり、咳は抑制され、呼吸音は減弱*11*14し、起坐位となる*15*17

     4)樽状胸郭*11*14幼児期から喘息発作を繰り返してきた患者の発作時にみられる)

     5)好発季節は秋が一番多く*15好発時間は夜中から明け方に多い*17

検査  1)発作最後に喀出する喀痰中に、シャルコーライデン結晶、クルシュマンらせん体、多くの好酸球*2*3*7がみられる

     2)1秒率1は発作時に一過性に70%以下に低下する*14

[治療] 気管支拡張薬の吸入が有効*2*3  アスピリンでは過敏症を示す*13(10%)

 

5. 慢性気管支炎

[定義]  フレッチャーの診断基準(1959)

     「二冬連続的に少なくとも3カ月間、ほとんど毎日喀痰を伴う慢性かつ持続性の咳嗽を有するもの」

 

6. 肺気腫*5*6*7*8*10*17

[定義]  1)肺胞壁の破壊を伴う終末細気管支より末梢の気腔の異常な拡大が特徴

     2)慢性気管支炎とともに慢性閉塞性肺疾患に分類される

[病因]  肺胞組織を破壊し、過膨張させるような因子が重なった場合が原因となる

     1)持続的な気管支・肺胞への刺戟(喫煙*5*7*17・大気汚染・有毒ガス)

     2)長期間肺胞を伸展させる要因(慢性気管支炎、咳嗽、管楽器吹奏者など)

     3)加齢*5

4)αー1アンチトリプシン2*13欠損症(遺伝性素因で欧米に多い)

[好発]  男 10:女 1で男性に多く、50歳以降に多い

[症状]  主症状

     1)咳嗽

     2)喀痰

     3)喘鳴

     4)労作性呼吸困難*7*17(初期には労作時のみ)

[所見]  1)聴診→ラ音

     2)視診→ビール樽状胸郭*5*10*17、口すぼめ呼吸、太鼓ばち指*5*6

     3)打診→鼓音(過共鳴音)*17

[検査]  1秒率は70%以下に低下、全肺気量3・残気量4は増加

 

7. 肺癌*13

定義  気管支粘膜上皮から肺胞領域に発生する上皮性悪性腫瘍

[疫学]  1981年以降、胃癌が男女とも死亡率第1位を占めてきたが、1993年からは男性は第1位。女性では胃癌、大腸癌に続き第3位。原因として喫煙・大気汚染(排気ガス、煤煙、放射性物質など)が問題になっている。男女比は男 3:女 1

     職業との関連原因物質→アスベスト、珪酸、クロム、ニッケルなど

[分類]

 

1.扁平上皮癌*13

2.腺癌

3.大細胞癌

4.小細胞癌

 a.発生頻度

29.8%

51.2%

5.1%

11.9%

 b.発生部位

気道中枢側*13

末梢肺野

末梢肺野

気道中枢側

 c.喫煙との関係

明らか

 

 

明らか

 

 

 

 

 

症状  1)咳嗽

     2)喀痰・血痰

     3)胸痛

     4)呼吸困難

[合併]  1)腫瘍拡大:上大静脈症候群5*13、パンコースト症候群6、嗄声7、嚥下困難

     2)脳転移 :意識障害、頭痛、痙攣

     3)骨転移 :骨折、骨疼痛

 

8. 自然気胸*9*13*14

[定義]  胸膜腔に空気が貯留した状態

[病因]  喫煙者で背が高く、やせ型の青年に多い*9

      1)気腫性のう胞[肺嚢胞症*13](ブレブ8あるいはブラ9*14の破壊)

      2)肺化膿症の空洞、結核性空洞の破壊

[症状]  3主徴

     1)胸痛(突然)*9

     2)呼吸困難

     3)咳嗽(刺激性)

 

*. 肺血栓塞栓症*18(肺梗塞)

[原因]  下肢静脈内に生じた血栓によるものが多い(エコノミークラス症候群)

[症状]  突然の

     1)胸痛

     2)呼吸困難*18

     3)頻呼吸

 

  1. 循環器疾患
1. 狭心症*2*4*5*13

定義  一過性の心筋虚血による*4*5(酸素供給が心筋需要をみたせない時に生じる)

病因  1)冠動脈硬化(大部分)、冠動脈の攣縮

     2)貧血 (動脈血の酸素運送能力低下)

     3)その他(膠原病、大動脈炎症候群、大動脈弁膜症等による冠血流量減少)

[分類]  1)労作性狭心症(労作によって誘発)

     2)安静時狭心症(安静時に出現)

症状  1)左前胸部・胸骨裏面の圧迫感、疼痛

      (1)持続時間が短い(通常2〜6分間で30分以上持続することはない*2*4*13

      (2)放散痛(発作の強い場合、左肩〜左上肢に生じることが多い)

      (3)ニトログリセリン服用でおさまる(通常2〜3分でおさまる)

     2)労作性狭心症では労作によって発作が生じ、やめるとおさまる*13

[予後]  死亡率は年間2〜7%*5 安静時狭心症は心筋梗塞に移行することが多い

 

2. 心筋梗塞*1*2*3*4*5*6*7*8*11*15*16*18

定義  冠動脈閉塞*1*6により心筋虚血が一定時間持続し心筋壊死*1*3*5が生じる

病因  冠動脈硬化(アテローム硬化)→高血圧*8

[疫学]  1)近年、日本人の食生活・生活様式の欧米化により発生頻度が増加傾向*18

     2)男性>女性*2

     3)冠危険因子*15*16*18(冠動脈硬化因子)

      (1)高コレステロール血症*4高脂血症*11*16脂質代謝異常*18

      (2)喫煙*1*8*15*16*18

      (3)高血圧*16

      (4)糖尿病*2*5*6*7

      (5)肥満*11*15*18

      (6)その他(ストレス*15、家族歴など)

症状  0)前駆症状(約半数→数週間前に狭心症様の胸痛発作)

     1)左前胸部・胸骨裏面の激烈な絞扼痛*8

      (1)持続時間が長い(20〜30分以上持続*1*2*3*8

      (2)放散痛(左肩*18〜左上肢に生じることが多い)

      (3)ニトログリセリンは無効*2

     2)悪心、嘔吐、呼吸困難、動悸、冷汗を伴う

     3)発熱(37〜38℃;第1病日にみられ3〜5日以内に下熱)

[合併]  1)不整脈*1(発症後数日間にみられ致死的なものが多い)

      (1)期外収縮(約50%)

      (2)洞性頻脈(約30%)

     2)心不全(左心不全から始まり右心不全が加わる)

     3)ショック(疼痛や心拍出量減少による)

     4)その他(心破裂、心膜炎など)

[検査]  心電図変化*5異常Q波*3*6ST上昇*18、冠性T波がみられる

     血液検査:CPK(クレアチニンホスホキナーゼ)*3*4CK(クレアチンキナーゼ)*18、GOT、LDHの上昇

[予後]  全死亡の50%は発症後12時間以内に生じている*5*6*7

     1年生存率:90% 5年生存率:70%

 

3. うっ血性心不全*2*3*4*11

[定義]  各種心疾患において心機能が低下し生体組織が必要とする血液を十分拍出できなくなった状態をいう(基礎心疾患の種類に関係なく、共通する症状)

[病因]  1)機械的障害*4高血圧*4、弁膜症

     2)心筋不全  :心筋症、心筋炎

     3)拡張不全*4 :心(膜腔)タンポナーデ10*3*4

     4)調律異常  :細動、頻脈、徐脈

[症状]  1)左心不全(肺うっ血が生じる)

      (1)呼吸困難*11(労作性呼吸困難→発作性夜間呼吸困難*3起坐呼吸*2*4

      (2)咳嗽、血痰、喀血

     2)右心不全(全身のうっ血が生じる)

      (1)肝腫大、浮腫*11腹水*11

      (2)静脈圧上昇*3*4*11(頚静脈怒張など)

      (3)食欲不振、悪心、腹部膨満感(胃・腸管のうっ血による)

      (4)期外収縮

 

4. 期外収縮*12

[検査]  心室性期外収縮の心電図波形*12

 

5. ファロー四徴症*8

[定義]  4つの特徴を持つ先天性*8心臓奇形

     1)肺動脈狭窄

     2)心室中隔欠損

     3)大動脈の右方偏位・心室中隔騎乗11

     4)右室肥大←1)2)3)の異常の結果、二次的に生じる

[症状]  1)チアノーゼ12*9

     2)呼吸困難13

     3)太鼓バチ指

     4)その他(動悸、失神、痙攣)

 

6. 僧帽弁狭窄症*8*19

[定義]  僧帽弁口狭窄→左房から左室への拡張期血液流入障害 →(心房細動、塞栓症[脳塞栓])

病因*8 1)リウマチ性*19(大部分:リウマチ熱後遺症による)、2)その他(先天性)

[症状]  1)初発症状 →無症状(長期間)

     2)症状発現時→左心不全症状

      (1)労作性呼吸困難(進行→発作性夜間呼吸困難・起座呼吸)

      (2)咳嗽、喀血、血痰

      (3)塞栓症

     3)進行時→右心不全症状

      (1)肝腫大、浮腫

      (2)僧帽弁顔貌(頬部の毛細血管の怒張と紅潮)

 

7. 僧帽弁閉鎖不全

[定義]  僧帽弁閉鎖不完全→左室から左房への収縮期血流が逆流→(心房細動)

[病因]  1)リウマチ性(多い)

     2)その他(感染性心内膜炎、外傷、変性)

[症状]  1)動悸、労作時呼吸困難、易疲労性←初発症状(休息すると軽快)

     2)左心不全が進行した場合→発作性夜間呼吸困難、起坐呼吸など

     3)右心不全を起こした場合→肝腫大、浮腫、食欲不振など

 

8. 大動脈弁狭窄症

[定義]  大動脈弁口狭窄→左室からの血液拍出障害→(左心不全症状[肺うっ血、肺水腫など])

[病因]  1)リウマチ性

     2)動脈硬化症

[症状]  1)初発症状 →無症状(長期間)

     2)症状発現時(3大徴候)

      (1)狭心症14  :症状発現時の初発症状

      (2)失神    :脳血流量の低下による

      (3)左心不全症状:呼吸困難など

 

9. 大動脈弁閉鎖不全

[定義]  大動脈閉鎖不完全→拡張期に弁の隙間から大動脈から左室へ血液逆流

[病因]  1)リウマチ性

     2)感染性心内膜炎

[症状]  1)初発症状 →無症状(長期間)

     2)症状発現時

(1)動悸    :1回心拍出量の増加による

(2)左心不全症状:呼吸困難

(3)狭心症   :左前胸部の不快感のことが多い

 

10. 本態性高血圧*2

定義  原因不明の高血圧

[疫学]  成因

     1)食塩過剰摂取

     2)肥満*2

     3)ストレス

     4)寒冷

     5)アルコール過飲

症状  自覚症状のないものも多いが、心血管系障害が合併によって症状発現

     1)脳神経症状:頭痛、頭重、めまい、耳鳴り

     2)心症状  :動悸、息切れ、胸部圧迫感

     3)腎症状  :夜間多尿など

予防  1)塩分制限

     2)肥満防止(エネルギー摂取制限)

     3)アルコール制限

     4)運動励行(心合併症がないことを確認)

 

11. 大動脈瘤*8*19

[定義]  大動脈にできる動脈瘤をいう

[分類]  1)腹部大動脈瘤(80%)

     2)胸部大動脈瘤

     3)胸腹部大動脈瘤に分類

[病因]  アテローム(粥状)硬化*8*19(多い)、マルファン症候群、梅毒性(著減)等

 

12. 解離性大動脈瘤*17脳動脈解離*15

[定義]  動脈内膜に裂孔ができて大動脈壁内に出血し、中膜が解離した状態

[症状]  突然に発症し

     1)呼吸困難

     2)胸部激痛*17

     3)血圧は測定不能でショック状態*17

     4)徐々に意識低下*17

     5)大動脈外膜側へ破裂すると急死する

 

13. バージャー病*2*7*8*13*15*19(閉塞性血栓血管炎)

[定義]  四肢の中小動脈の閉塞を特徴とする疾患(ビュルガー病とも呼ばれる)

[増悪]  喫煙が増悪因子*15

[疫学]  若年層(20〜40歳)で、男性に多い*2*15(男9:女1)

病因*8不明*19

[症状]  1)第1度:冷感、しびれ感、皮膚蒼白 レイノー現象

     2)第2度:間歇性跛行*13*15*17

     3)第3度:安静時疼痛

     4)第4度:虚血性潰瘍*7*15、壊疽

 

  1. 消化器疾患
1. 食道癌*4*5*15*17

[定義]  食道に発生する癌

[病因]  原因は不明であるが成因として

     1)熱い飲食物摂取*15

     2)多量喫煙*15*17

     3)高濃度のアルコール摂取*15

[好発]  男:女=約4:1

     食道中部>下部>上部*17

[症状]  初発症状*5嚥下時のつかえ感*5、異物感、胸骨後方痛

     1年前後 :嚥下困難が増悪(固形物→液体)→食物摂取減少→体重減少

[予後]  行してから発見されることが多い*17ので、根治手術をしても予後不良

 

2. 急性・慢性胃炎

定義  急性→胃粘膜に限局した炎症で、胃粘膜の発赤、腫脹、びらんが生じる

     慢性→胃腺から胃全体の萎縮性の胃病変が生じる

症状  1)上腹部痛

     2)悪心・嘔吐

     3)その他(胃部膨満感、食欲不振)

     以上の症状が急性胃炎では突発し、慢性胃炎では長期にわたり軽快と増悪を反復する

予後  良好

 

3. 消化性潰瘍*2*3*4*7*9*18

定義  胃潰瘍と十二指腸潰瘍を総称したもの*4で、粘膜下層以下まで組織欠損が生じる

     部位は異なるが原因・発生機序が同一と考えられるので一括して扱う

病因  原因は不明確(梗塞説、自己消化説、アレルギー説、中枢神経障害説など)

     最近では以下の原因が考えられている。

     1)バランス説:消化管壁の粘膜の防御因子(胃粘膜)<攻撃因子(塩酸*2*7、ペプシン、ガストリン*7など)の場合に潰瘍が生ずる。

     2)胃粘膜防御機構説:プロスタグランジン(種々の障害物質から胃粘膜細胞の保護)の減少

     3)ヘリコバクター・ピロリ菌の感染*7:アンモニアを産生し、胃粘膜を傷害

疫学  1)罹病率   →胃潰瘍 > 十二指腸潰瘍

     2)胃潰瘍   →胃角付近に好発し、40歳代に多い

     3)十二指腸潰瘍→球部に好発し、30歳代に多い*2

症状  1)心窩部痛(鈍痛、灼熱痛、疝痛など)

      (1)胃潰瘍   →食後痛みを訴える

      (2)十二指腸潰瘍→空腹時に痛みを訴え*2*18、食事摂取により軽快する

     2)過酸症状(げっぷ、胸やけ)→十二指腸潰瘍に著明

合併*9 3)吐血*9下血(黒色タール便)*2*3*9

      4)狭窄*9穿孔*9

 

4. 胃癌*4 

定義  胃粘膜上皮細胞から発生した癌

症状  1)早期癌

      (1)自覚症状がないことが多いが癌巣内に潰瘍を伴うと症状発現

      (2)食欲不振、胃部不快感、悪心

     2)進行癌

      (1)心窩部痛*4、嘔吐、やせ、膨満感、食欲不振、胸やけ、貧血など

      (2)噴門付近に狭窄があると嚥下障害

      (3)幽門付近に狭窄があると強い腹部膨満感、悪心、嘔吐

予後  胃癌の術後5年生存率は50%以下(早期癌では90%程度)

 

5. 虫垂炎*1*6*11

定義  虫垂管腔の閉塞に併発する急性化膿性炎症で、腹膜炎*11へ進行することがある

症状  1)自覚症状

      (1)腹痛、(2)悪心*1嘔吐*6、(3)発熱

     2)他覚症状

      (1)筋性防衛

      (2)ロブジング徴候15

      (3)ブルンベルグ徴候16

      (4)ローゼンスタイン徴候17

      (5)圧痛18

 

6. 腸閉塞*4*6*11*12*15*18(イレウス)

定義  種々の原因によって、腸の内容が通過できなくなった状態*4

症状  1)腹痛*6*15*18  単純性→周期的、絞扼性→突発的持続的激痛)

     2)嘔吐*15*18(次第に糞臭*12

     3)腹部膨満*6*15*18(下位の閉塞ほど著明)

     4)腸管蠕動不穏*6*11、グル音増強19(麻痺性イレウスではみられない)

     5)便秘(下痢*18はみられない)

 

7. 大腸癌*2*4*6

定義  粘膜上皮性の悪性腫瘍*2

     1)直腸  :47.8%*2*6、

     2)S状結腸:25.8%*2

     3)上行結腸:8.0%*6

     4)横行結腸: 7.6%*6

     5)盲腸:5.9%

     6)下行結腸:4.7%*6

症状  1)早期癌*2→無症状、血便または粘血便がみられる*2*4

      2)進行癌*2

      (1)腹痛、血便または粘血便がみられる*4

      (2)便通変化20*2

      (3)食欲不振、貧血、衰弱など

 

8. 潰瘍性大腸炎*11

[定義]  原因不明に大腸粘膜に限局性におこる慢性炎症で、直腸に始まり全大腸を侵す潰瘍を形成し、再発緩解を繰り返す

[症状]  1)下痢(粘血便・血便)、2)腹痛、3)その他(発熱、体重減少など)

[鑑別]  クローン病は、全消化管が非連続性に罹患し、回腸末端から大腸に好発する炎症性肉芽腫疾患で、1)腹痛、2)下痢、3)微熱、4)体重減少の四主徴がみられ、炎症性ポリープ、瘻孔形成、狭窄、肛門部病変(痔瘻、裂肛)がみられる。

 

  1. 肝・胆・膵疾患
1. 急性ウイルス肝炎*5*9

定義  肝臓の急性壊死と炎症を生じる疾患

分類・病因

     1)A型肝炎   感染経路経口感染*5*19(患者の糞便で汚染された食物など)

             特徴集団発生*5*9、家族内感染を起こしやすい

     2)B型肝炎   感染経路:血液感染(輸血、注射針、性感染など)

     3)C型肝炎*5  感染経路血液感染*19(輸血、注射針など)

     4)D型肝炎   :血液感染(わが国ではまれ)

     5)E型肝炎   感染経路:経口感染(インド、パキスタンなどに多い)

症状

定型的肝炎

期間

症状

1)潜伏期

A型肝炎→15〜 60日
B型肝炎→60〜100日

 

2)前駆期

2〜3日、時に1週間

感冒様症状、急性胃腸炎症状

3)黄疸期

4〜6週間

黄疸、皮膚掻痒感が発現

4)回復期

1〜2カ月

黄疸が消退、自覚症状消失

 

[検査]  B型肝炎の急性期には、HBs抗原を認める*19

予後  比較的良好であるが劇症肝炎では死亡することが多い

     1)A型肝炎→ほとんど完治*9

     2)B型肝炎→A型より経過が長く、慢性肝炎に移行するものもある

     3)C型肝炎→慢性肝炎に移行するものが多い

 

2. 劇症肝炎*5*9*18

[定義]  1)進行性の慢性肝障害の終末の姿*4で、不可逆性で進行性

     2)B型に多い*9*18A型*18(高齢者には多い)は少なく、C型*18はまれ

[症状]  強い肝炎症状と意識障害(肝性昏睡、羽ばたき振戦など)、出血傾向

[予後]  予後不良*5*19で死亡率は80〜90%

 

3. 慢性肝炎

[定義]  1)肝機能障害が6カ月以上続いているものをいう

  2)大部分がウイルス性急性肝炎から移行する(B型→30%、C型→70%)

[予後]  治癒しにくく(数年〜20、30年)、肝硬変に進行することが多い

 

*. 門脈圧亢進症*19

[定義]  門脈血流量の増加または門脈系の血管抵抗の上昇により、門脈圧が上昇した状態

[症状]  1)脾腫*19(脾静脈圧の上昇による)

     2)腹水貯留*19(門脈圧亢進による漏出性腹水)

     3)食道静脈瘤*19、腹壁静脈怒張、痔静脈瘤(側副血行路の形成)

     4)貧血(脾機能亢進による)

 

4. 肝硬変*1*4*5*7*8*9*14*17

[定義]  1)進行性の慢性肝障害の終末の姿*4で、不可逆性で進行性

     2)障害肝細胞→線維増殖が囲む→肝内血管系を圧迫→肝細胞障害を促進

[病因]  ウイルス性肝炎(80%:B型→20%、C型→60%*1*9)、アルコール多飲*1、栄養障害、胆汁うっ滞の持続*1など

[症状]  1)代償期(徐々に始まる)

      (1)手掌紅斑*7くも状血管腫*7*9*14女性化乳房*7*17

      (2)全身倦怠感、易疲労性、食欲不振、腹部膨満感など

     2)非代償期(肝機能が強く障害される)

       黄疸、腹水*5、側副血行路21、消化管出血を生じ肝性昏睡に陥って死亡

[合併]  1)消化管出血*8

      (1)食道静脈瘤*5破裂

      (2)胃・十二指腸潰瘍からの大出血

      (3)消化管粘膜からの少量出血

     2)肝性昏睡:肝不全による(肝性脳症)

     3)肝癌*8 :5年で20〜30%

     4)播種性血管内凝固症候群*8:各種凝固因子の低下等による

[検査]  1)血小板減少*14

     2)高コレステロール血症はみられない22*14

 

5. 肝癌*9*11

[定義]  1)原発性

      (1)肝細胞癌 :肝細胞から生じる(多い)

      (2)胆管細胞癌:肝内胆管から生じる

     2)続発性(消化管、乳房、肺などの原発巣から転移)

      肝硬変に随伴することが多い*9(80%以上)

[症状]  1)右上腹部痛←初発症状

     2)肝腫大

     3)腹水、黄疸、吐血、下血、体重減少

 

6. 胆石症*4

[定義]  胆汁の成分からできた石を胆石といい、胆石による疾患を胆石症という

[分類]  1)成分

      (1)コレステロール結石(胆のう内に存在)

      (2)ビリルビン結石など(胆管内に存在)

     2)大きさ:砂状〜鶏卵大

     3)数  :1〜数千個

[症状]  総胆管胆石症の症状

     1)上腹部痛、右季肋部痛*4(胆石疝痛発作23

     2)黄疸(しばしば)

     3)発熱(悪寒・戦慄を伴う)

 

7. 胆嚢炎*16

[病因]  胆石症に合併することが多く、胆管通過障害を伴いやすい

[症状]  1)急性胆嚢炎:上腹部・右季肋部痛*16、悪寒戦慄、発熱、悪心嘔吐、黄疸

     2)慢性胆嚢炎:上腹部・右季肋部痛、腹部膨満、脂肪摂取後の不快感

 

8. 急性膵炎*4*11*12

[定義]  なんらかの原因によって膵組織から酵素(トリプシンなど)が離脱し、膵組織を自己消化することによって生じる疾患*4

[病因]  1)胆石症*12

     2)アルコール過飲、原因不明→約90%をしめる

     3)膵管閉塞(→膵管内圧亢進が生じるため)

     4)その他(副甲状腺機能亢進症*12、上腹部手術、流行性耳下腺炎*12、薬物)

[症状]  1)持続性の腹部の激痛(2〜3日で軽快し、5日前後で消失)

      (1)心窩部痛>右・左季肋部で背部に放散する

      (2)脊柱の伸展位で増強し、前屈位で軽減

     2)悪心・嘔吐、腹部膨満

     3)ショック症状(血圧低下、頻脈、チアノーゼ)→重症化を示す

     4)ときに黄疸(胆石が原因の場合)

     5)出血性青色(暗赤色)変色24*11

     6)仮性膵嚢胞*11(膵実質内や膵周辺に膵液などの貯留した嚢胞が形成される)

 

9. 慢性膵炎*16

[検査]  血液中・尿中のアミラーゼ上昇*16

 

10. 急性腹症

[定義]  1)腹痛を訴えて、2)急性の経過をとる病態で、3)緊急手術の必要を考慮させるもの

[病因]  1)炎症:急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎など

     2)管腔臓器の閉塞:腸閉塞、胆石症、腎・尿路結石症など

     3)穿孔     :消化管穿孔、胆嚢穿孔など

     4)血行障害   :上腸管膜血栓症、卵巣嚢腫茎捻転など

     5)出血     :子宮外妊娠破裂など

[症状]  1)突然生じる激しい腹痛

     2)腹膜刺激症状(筋性防衛、ブルンベルグ徴候)

     3)ショック状態

     4)その他(発熱、出血傾向など)

 

  1. 代謝疾患
1. 糖尿病*1*2*3*4*6*8*9*11*19(2)

定義  インスリン25*19不足*1による過血糖状態をいう

[分類]  1)インスリン依存型26 Ⅰ型*3*9若年型*3)]→約1%やせ型が多い*2

      原因:ウイルス、自己免疫機序*1*9、膵炎、膵癌

     2)インスリン非依存型27Ⅱ型*1(成人型)]  →99%

      原因:遺伝要因+(食生活西欧化、肥満、加齢)

     3)その他の型[二次性]

      原因:内分泌疾患(クッシング症候群)など

     4)妊娠による糖尿病

症状  1)依存型 :急激なやせ*6、口渇、多飲、多尿*6*11(時に意識障害、昏睡)

     2)非依存型:体重減少*6、多飲、多尿*6*11、倦怠感、足のしびれ

     3)糖尿病性ケトアシドーシス*3(脂肪酸の不完全燃焼によるケト酸の蓄積)

      :悪心・嘔吐、アセトン臭(口臭)、クスマウル大呼吸、意識障害*6

     4)高浸透圧性昏睡(インスリン非依存型患者の経管的栄養補給時などに生じる)

      :脱水、意識障害

合併  1)白内障*3

     2)網膜症、腎症→蛋白尿*8(細小血管症)

     3)ニューロパチー28*1*2*19末梢神経障害*2多発神経炎*7、神経痛など)

     4)壊疽*3

     5)感染症*2など

[検査]  血液検査:ブドウ糖経口負荷試験*2などで血糖値の上昇*3がみられる

[治療]  食事療法*4運動療法*4

 

2. 高脂血症

[定義]  コレステロール、遊離脂肪酸、リン脂質、トリグリセリド(中性脂肪)のどれか一つでも増加している状態

[症状]  1)高脂血症だけでは自覚症状はないが血管障害により種々の症状

     2)黄色腫(眼瞼、鼻、頚部、背部、肩甲部、膝、肘など)

 

3. 痛風*2*3*13*14*17

定義  プリン体*13の代謝異常により体内に尿酸が異常に増加*2*3し、沈着する疾患

[誘因]  プリン体含有食物摂取や肥満(炭水化物、脂肪の過剰摂取*17)やアルコール*17

[好発]  中年肥満男性*14で、美食家に多い (女性は男性の1/20*2

症状  1)痛風発作

      (1)突然、多くは第1中足指節間関節*2(60〜70%)に発赤、腫脹、激痛、発熱をきたす29

      (2)足関節、膝関節、手関節にみられることもある

      (3)非発作時は無症状

     2)痛風結節

      (1)初発発作の数年後より、耳介、肘関節部、母趾部に米粒大〜くるみ大の結節がみられる

      (2)皮膚が破れて潰瘍・瘢痕形成をみることがある

     3)尿路結石:関節炎発作前または経過中にみられる(10〜30%)

     4)腎障害*2:極めて緩慢な経過での腎不全[痛風腎]

 

4. 脚気*18

[原因]  ビタミンB1の欠乏による*18

 

  1. 内分泌疾患
1. 先端肥大症*15*16下垂体性巨人症*3

[定義]  下垂体前葉から成長ホルモンの過剰分泌*3*16により発症(下垂体腺腫*15

[症状]  1)巨人症

     2)手足の容積増大(末端肥大)

     3)内臓肥大*15(心、甲状腺、消化器など)

     4)顔貌 (眼窩上縁突出、下顎突出など)

     5)その他(月経異常、発汗増加、腫瘍圧迫症状→頭痛・視力障害など)

 

2. 下垂体性小人症*14*15

[定義]  下垂体前葉からの成長ホルモンの分泌が障害されて成長障害をきたした状態

[原因]  1)特発性:原因不明

     2)続発性:頭蓋咽頭腫(トルコ鞍部の腫瘍*14、下垂体腺腫

[症状]  小人症(プロポーションは正常*14

[検査]  骨年齢30遅延*14*15

 

3. 尿崩症*3*13

[定義]  抗利尿ホルモン31(ADH;バソプレシン)の分泌障害*3*13により水の再吸収障害が生じ、口渇、多飲、多尿(低比重尿・低張尿*15)を生じる

 

4. バセドウ病*1*2*5*6*9*14(グレーブス病)

[定義]  抗甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体抗体による自己免疫疾患で甲状腺機能が亢進する

[好発]  男女比=1:4で女性に多く、20〜50歳に好発

[症状]  1)メルゼブルグの三徴候

      (1)眼球突出*1*18      (50%)

      (2)甲状腺腫大*1       (95%)

      (3)頻脈*1*2*6心拍増加*18)(90%)

     2)その他

      (1)一般症状  :全身倦怠感、神経質、微熱、下痢など

      (2)精神神経症状:振戦*9(90%)、(不安感)

      (3)代謝亢進症状:体重減少*1*9、暑がり、(食欲亢進)

      (4)循環器症状 :動悸*9、息切れ

[所見]  1)グレーフェ徴候:上方から下方を見る時に上眼瞼の下に白い強膜がみえる

     2)メビウス 徴候:輻輳障害

     3)ステルワグ徴候:瞬目減少

[合併]  1)甲状腺クリーゼ(高熱、甲状腺症状の増悪、意識障害が生じ死亡率が高い)

     2)周期性四肢麻痺*14(繰り返し発作性に四肢弛緩性麻痺を起こす)

     3)重症筋無力症

 

5. 粘液水腫*2*3*4*5

[定義]  甲状腺機能低下症(乳小児の粘液水腫をクレチン病*2*3*5という)

     甲状腺ホルモンの分泌障害*3により、全身の代謝が不活発になったもの)

[症状]  1)一般症状  :全身倦怠感、記憶力減退、意欲低下*18、便秘など

     2)代謝低下症状:寒がり、不活発

     3)循環器症状 :徐脈*4低血圧*2

     4)皮膚症状  :非圧痕性浮腫、皮膚乾燥、浮腫性顔貌*5

     5)その他   :嗄声、眉毛の外側1/3の脱毛、巨大舌、脱毛

 

6. 橋本病*5*14(慢性甲状腺炎)

[定義]  甲状腺の慢性非化膿性炎症性疾患で自己免疫疾患と考えられている

[好発]  20〜50歳で女性に多い(男女比=男1:女15〜20)

[症状]  1)びまん性甲状腺腫大*5(←症状のない場合の主症状)

     2)甲状腺機能低下症状32

     3)一般症状(全身倦怠感など)

     4)一時的な甲状腺機能亢進症がみられることがある33*14

[検査]  抗甲状腺抗体陽性

 

7. アジソン病*2*3*4*5*11*12*16

[定義]  1)副腎に原発する慢性副腎皮質機能低下を生じる疾患

     2)副腎皮質ステロイド1.糖質コルチコイド[コルチゾール*13]、2.鉱質コルチコイド、>3.性ステロイド)の欠乏、二次的なACTHの増加*3*16(メラニン色素産生細胞を刺激しメラニン色素産生亢進)を示す

[症状]  1)一般症状体重減少*11倦怠感*11など

     2)メラニン色素沈着*2*4*5*11:全身が黒くなる(特に舌、歯肉)

     3)循環器症状  低血圧*3*11(めまい、失神)

     4)胃腸症状   :食欲不振、悪心・嘔吐

     5)精神・神経症状:神経症、味覚・嗅覚・聴覚過敏

     6)その他    腋毛、恥毛の脱落*11低血糖*12、無月経

 

8. 原発性アルドステロン症*8*14(コン症候群)

[定義]  副腎皮質の腫瘍などからアルドステロン*13(鉱質コルチコイド34)の過剰分泌をきたす疾患

[症状]  1)高血圧症状 *8   :頭痛、めまい、動悸

     2)低カリウム血症症状:周期性四肢麻痺*14、脱力感、知覚障害、

     3)その他      :テタニー、多飲、多尿

 

9. クッシング症候群*2*3*4*5*7*8*9*15*16

[定義]  慢性のコルチゾール(糖質コルチコイド)過剰症*3*16

[分類]  1)ACTH依存性(過剰分泌)

      (1)下垂体性ACTH過剰分泌(クッシング病:←下垂体腺腫*9

      (2)異所性ACTH産生腫瘍 (肺癌、膵癌など)

     2)ACTH非依存性(コルチゾール自律性過剰分泌)

      副腎皮質腫瘍あるいは原発性副腎皮質過形成

[症状]  1)中心性肥満*4*7*9(水牛型脂肪沈着)

     2)満月様顔貌*2*5*15

     3)赤色皮膚線条*7*11(約2/3)

     4)多毛*7

     5)その他(高血圧*7*8*9骨粗鬆症*9*15顔面浮腫*15、糖尿、精神障害、月経異常)

[検査]  高コレステロール血症*15

 

 

10. 褐色細胞腫*3*4*5

[定義]  1)クロム親和性細胞(副腎髄質細胞;90%、交感神経節細胞;10%)から発生する腫瘍で、カテコールアミン*3*13(アドレナリン、ノルアドレナリン)を産生し分泌する

      2)持続型と発作型に分けられ、発作型が多い

[症状]  バセドウ病と糖尿病を加味した高血圧

     1)高血圧*3*4(86%)

     2)頭痛(80%)

     3)発汗過多(71%)

     4)代謝亢進

     5)高血糖

     6)その他:動悸(64%)、悪心・嘔吐(42%)、振戦(31%)など

 

  1. 血液・造血器疾患
1. 貧血*1

[定義]  赤血球数、ヘモグロビン量が絶対的に減少した状態

[分類]  貧血の種類により、小球性、正球性、大球性などの赤血球形態が異なる

[原因]  1)赤血球産生減少

     2)赤血球崩壊増大

     3)1,2の合併または原因不明

[症状]  1)貧血共通自覚症状:易疲労性、頭痛、動悸、息切れ*1、耳鳴りなど

     2)貧血共通他覚症状:顔面蒼白、粘膜蒼白、頻脈など

 

 1)鉄欠乏性貧血*1*2*3*4*5*8*10*12*13*14*17*19

[定義]  鉄が欠乏しヘモグロビン産生量が減少して発生[小球性低色素性貧血*1*3*4*14

[病因]  (1)鉄吸収障害:栄養不足*17、胃切除後

     (2)鉄需要増大:妊娠、小児成長時など

     (3)鉄過剰喪失:子宮筋腫*4*10*12*14などによる月経過多*8*17や、痔疾*5消化管出血*17などの慢性持続出血*3胃癌*10潰瘍性大腸炎*10)、出産

[症状]  (1)自覚症状(共通症状 参照動悸*19息切れ*12易疲労感*19

     (2)他覚症状(共通症状 参照顔面蒼白*12

A.さじ状爪*1*2*3*4*12*13(扁平化して反り返り、光沢がなくなる)

B.舌炎*19

[検査]  血液検査:血清鉄値の低下*3*4

 

 2)悪性貧血*2*5*8*9*11*13

[定義]  (1)ビタミンB12欠乏による骨髄造血細胞の造血異常が原因となる貧血で、胃の内因子に対する自己抗体による自己免疫疾患といわれている(胃癌発生率が高い)

     (2)かつては原因不明で治療しにくかっために悪性という名称がついたが、現在では治癒しやすい*2ので[巨赤芽球性貧血(大球性)35*2*9]と呼ばれる。

(3)過形成*2により赤芽球が多くみられ、骨髄中に巨赤芽球36がみられる。

[病因]  ビタミンB12の欠乏*2*5*8*11

     (1)摂取不足     :菜食主義者、慢性アルコール中毒者

     (2)吸収障害     :内因子37欠乏*17、小腸疾患

     (3)利用障害・需要増大:妊娠、悪性腫瘍

[症状]  (1)3大主要症状

      A.貧血症状

      B.消化器症状:ハンター舌炎、悪心、食欲不振など

      C.神経症状 :下肢知覚異常、運動失調など

     (2)その他:白髪など

 3)再生不良性貧血*5*8*13*16

[定義]  骨髄の幹細胞障害により末梢血の赤血球、白血球、血小板が減少する汎血球減少症*1が生じる貧血

[病因]  (1)不明

     (2)薬剤・薬品(ベンゾール*5など)

     (3)放射線*8 (骨髄障害)

[症状]  (1)貧血症状

     (2)出血症状*16(血小板減少による):皮下出血(紫斑*13)、歯肉出血、鼻出血など

     (3)感染症状(白血球減少による):感染症にかかりやすい(発熱など)

 

 4)溶血性貧血

[定義]  赤血球の早期破壊による貧血

[分類]  (1)赤血球に原因があるもの  (遺伝性球状赤血球症など)

     (2)赤血球以外に原因があるもの(自己免疫性溶血性貧血*5など)

 

 (1)自己免疫性溶血性貧血*5*8

[定義]  何らかの原因によって自己赤血球に対する抗体(自己抗体*5*8)がつくられ、赤血球表面で抗原抗体反応を生じ、赤血球が破壊されて起こる原因不明の後天性の溶血性貧血である。

 

2. 白血病

[定義]     造血細胞の腫瘍性増殖をみる疾患

異常に増殖した白血病細胞によって骨髄が占拠され、正常造血細胞の増殖が抑制され、赤血球、顆粒球、血小板などが減少する

1)急性白血病*8

[定義]  急激に白血球が無制限に進行性に増殖するもの

[分類]  幼若白血病細胞がどの系統の白血球の特徴を持つかによって分類される

     (1)急性リンパ性白血病 (ALL) :リンパ系細胞が侵され小児に多い

     (2)急性骨髄性白血病*16 (AML):骨髄系細胞が侵され成人に多い

     (3)成人T細胞白血病(ATLL)*17:HTLV-1ウイルスの感染*17によって発症する

[症状]  (1)貧血症状 (中程度)

     (2)出血症状*8*16(血小板減少による):皮下出血、鼻出血、歯肉出血など

     (3)感染症状   (顆粒球減少による):発熱など

     (4)その他:リンパ節腫脹(比較的軟らかく無痛性)はみられるが脾腫・肝腫大の頻度は少ない

 

2)慢性白血病*7*8

[分類]  (1)骨髄性 :顆粒球の慢性腫瘍性増殖

     (2)リンパ性:リンパ球系細胞の慢性腫瘍性増殖(我が国ではまれ)

[症状]  (1)慢性骨髄性*7

      A.無症状←初期

      B.腹部膨満感、全身倦怠感

      C.脾腫*8(著明)、肝腫大

      D.感染症状、リンパ節腫大、出血傾向は急性とくらべ頻度は低い

     (2)慢性リンパ性(高齢者に多い)

      A.無症状←初期

      B.全身のリンパ節腫大(→周辺臓器圧迫)

      C.肝腫大、脾腫*8(著明な腫大はまれ)

      D.感染症状など

[検査]  正球性正色素性貧血*7血清LDH上昇*7フィラデルフィア染色体陽性*7好中球アルカリホスファターゼ値低下*7

 

3. 血小板減少性紫斑病*8*13*16

[定義]  血小板に対する自己抗体が産生されることで血小板の破壊亢進により生じる*13

[症状]  1)出血症状*16:紫斑(点状出血、歯肉出血、消化管出血など)

     2)脾腫(軽度)

     3)その他   :貧血(出血が持続する場合)

 

4. 血友病*8*12*15*16

[定義]  凝固因子の活性が遺伝的(伴性劣性遺伝38*12*15)、先天的に欠乏することにより出血性素因を生じる疾患

[分類]  1)血友病A:凝固因子Ⅷの欠乏*12(約75%)

     2)血友病B:凝固因子Ⅸの欠乏

[症状]  出血症状(再出血しやすい傾向*12

     1)内出血:体深部出血      (筋肉内、関節内に出血*12

     2)外出血:外傷後の遷延する出血 (皮膚、鼻、口腔など)

[社会]  1)発生頻度

      (1)血友病A→男子出生人口約1〜 2万人に1人

      (2)血友病B→男子出生人口約2〜10万人に1人

     2)欠乏凝固因子の含まれた血液製剤の輸血により、AIDS感染が生じた

 

  1. 腎・尿路疾患
1. 急性腎不全*7*9*11

定義  急激な腎機能低下のため体液の恒常性が保てなくなった状態で、高窒素血症を主体とする症候群をいう

病因  1)腎前性(腎血流量の減少):心不全、体液減少、低蛋白血症など

     2)腎性 (腎実質障害)  :糸球体障害、間質性腎炎など

     3)腎後性(尿路閉塞)   :尿路結石、前立腺肥大、悪性腫瘍など

症状  1)発症期:原因により長短は異なり、症候は原疾患による

     2)乏尿期:乏尿・無尿*11、浮腫、高血圧、食欲不振、意識障害、血清クレアチニン値上昇*7血清尿素窒素(BUN)上昇*7血清カリウム値上昇*7

     3)利尿期:多尿*9、脱水、血清ナトリウム値低下*7、低カリウム血症

     4)回復期:種々の症状が軽快し、腎機能も正常化

 

2. 慢性腎不全*9

定義  数ヶ月あるいは数年以上にわたって持続的に腎機能が低下し、体液の恒常性が保てなくなった状態をいう。通常、腎機能の回復は望めない

病因  糸球体疾患、代謝性疾患(糖尿病)、膠原病など

症状  尿毒症、心不全、心外膜炎、末梢神経障害、高カリウム血症*9など

[合併]  1)高血圧(必発)

     2)貧血(比較的早期から正球性正色素性貧血が生じる)

 

3. 急性糸球体腎炎*8*9*10*12*17*18

[定義]  1)溶血性連鎖球菌感染に続発し抗原抗体反応によって発症する

     2)腎疾患に先行する感染としては、扁桃炎、咽頭炎などが大部分を占める

[病因]  1)A群β溶連菌によるⅢ型アレルギーによる39

     2)溶連菌以外にインフルエンザ菌、ウイルスなども原因となる

[症状]  1)上気道感染(扁桃炎*12)の1〜2週間後に発症する

     2)全身症状:倦怠感、食欲不振、咽頭痛、悪心・嘔吐、下痢、便秘など

     3)主症状:

      (1)浮腫*10*12初期には顔面、特に眼瞼周囲に発現*18

      (2)高血圧*9*10*12:腎炎寛解とともに低下

      (3)血尿*10*12  :必発(肉眼的→30〜50%)

      (*)尿量減少  乏尿*12*18

      (*)蛋白尿*12   :一般に軽度

      (*)高カリウム血症*17

[検査]  血液検査:血清補体価40は低下する*18

[予後]  一般に予後は良好で1〜2ヶ月後に治癒し、慢性腎不全に移行することはない*18

 

4. 慢性糸球体腎炎*3*17

[病因]  不明(免疫的機序が考えられている)

[症状]  1)浮腫*3

     2)高血圧

     3)血尿(潜血)

     *)蛋白尿

[検査]  尿素窒素、クレアチニンの尿中排泄が減少し血中濃度が増加するため高窒素血症*3となる。腎障害が進むと低ナトリウム血症、高カリウム血症*17が生じる

 

5. ネフローゼ症候群*1*2*4*7*9*14*15*16*18

定義  糸球体基底膜の透過亢進が生ずる

病因  腎疾患から生じる一次性と、糖尿病や膠原病などの全身疾患に付随して発症する二次性がある。

症状  1)蛋白尿*1*4*7*14*16*18

     2)低蛋白血症41*2*9*18血清総蛋白低下*16血清アルブミン低下*1*4*7*15

     3)高脂血症42*2*14*18総コレステロール上昇*1*4*9*15トリグリセリド上昇*4

     4)浮腫*1*2*14*16*18

 

6. 急性膀胱炎*9*13*17

[定義]  細菌性(急性単純性と複雑性)が最も多く、その他結核性、間質性、放射線性等がある

[症状]  突然に発症するが、発熱(高熱)はみられない*13*17

     1)頻尿*9*13*17:昼夜の別なく尿意をもよおす(膀胱しぶり)

     2)排尿時痛*13*17

     3)尿混濁:膿尿

     4)残尿感*13*17

     5)血尿 :かなりの頻度で肉眼的血尿を伴う

 

7. 尿路結石症*9

[定義]  尿石が尿路系(腎杯〜外尿道口)に存在し、症状を生じるものをいう

     副甲状腺機能亢進症*9では5〜20%に尿路結石がみられる

[症状]  1)疼痛:尿路閉塞によって生じる疝痛(鈍痛のこともある)で、側腹部痛、腎部痛などで尿路に沿って下方に放散することが多い

     2)血尿*9:疝痛に伴って、肉眼的血尿のみられることが多い(発作のないときは潜血が持続する)

     3)尿石排出:直径5mm以下では自然排石

 

8. 前立腺肥大症*10*11

[症状]  1)残尿*10*11

     2)頻尿

     3)尿閉*10

     4)排尿困難(遷延性排尿*10

 

  1. 神経疾患

脳血管障害(脳卒中43

出血性病変

脳出血

くも膜下出血

虚血性病変(脳梗塞)

脳血栓

脳塞栓

1. 脳出血

定義  脳実質内へ出血したもの

疫学  2002年人口10万人対の脳出血年間死亡率は男性27.4人、女性22.3人

遺伝性の脳出血はない

病因  高血圧症(70〜90%)、動脈瘤破裂、静脈瘤破裂、脳腫瘍内の出血、外傷等

症状  日中活動期の発症が多い

     1)頭痛

     2)麻痺

     3)意識障害(麻痺の進行とともに増悪し、昏睡にいたる)

[合併]  1)脳ヘルニア

     2)感染症

     3)消化管出血

 

2. 脳梗塞

定義  脳血流障害で不可逆的変化が起こり、脳実質の壊死を生じた状態

疫学  2002年人口10万人対の年間死亡率は男性61.7人、女性66.0人

     脳梗塞の30%が脳塞栓であり、脳塞栓の約60%が心臓からの血栓が原因。

     最近脳ドックの普及などにより、50歳代で約半数が、80歳以降ではほんどの人で無症候性脳梗塞が存在していることが明らかになった。

定義  1)脳血栓

     2)脳塞栓

     3)その他(動脈炎、脳出血など)

[合併]  1)脳ヘルニア

     2)感染症

     3)消化管出血

 

3. 脳血栓*9

病因  脳動脈硬化により脳血管内腔が狭窄・閉塞することにより生じる

症状  1)前駆症状として一過性脳虚血発作44(TIA)を伴う(15〜50%)

     2)安静時(睡眠中または起床後まもなく)に発症することが多い

     3)緩徐で、段階的に麻痺などの神経症状が進行していくことが多い

     4)意識障害を欠くことが多い

     5)高齢者に多い

 

4. 脳塞栓*7*10*11*12*17

病因  心臓内の血栓45などが移動し脳動脈を閉塞することによる(大部分)

症状  1)発症は急激*7で数分以内に症状は完成する

     2)頭痛や意識障害はあっても軽度

     3)一過性脳虚血発作(TIA)を欠くことが多い

     4)神経症状は脳血栓と同様(失語症*7*11*17など)

     5)若年者にもみられる

 

5. くも膜下出血*2

定義  くも膜下腔(脳軟膜とくも膜の間の間腔)に出血する疾患で再発傾向が強い

疫学  2002年人口10万人対の年間死亡率は男性9.2人、女性14.1人で性差はない

病因  1)脳動脈瘤の破裂(70%)  2)脳動静脈奇形破裂(10%)  3)もやもや病46

症状  1)突然の激しい頭痛(頭部全体)

     2)悪心・嘔吐

     3)一過性の意識障害(30〜50%)

     4)髄膜刺激症状(髄膜炎*2、クモ膜下出血などで髄膜に刺激が加わった時に生じる症状)

      (1)項部強直47*2

      (2)ケルニッヒ徴候48

      (3)ラセーグ徴候49

      (4)ブルジンスキー徴候50

[合併]  1)水頭症

     2)脳梗塞

     3)感染症

     4)消化管出血

 

脳血管障害の鑑別(Textより)

 

  脳出血

  脳梗塞

  クモ膜下出血

 1.TIAの前駆

 (─)

  (+)

   (─)

 2.発症

  活動期

 休息時

 休息時+活動期

 3.頭痛

  (+)

  (─)

  激烈

 4.嘔吐

  (+)

  (─)

   (+)

 5.麻痺

  (+)

  (+)

   (─)

 6.意識障害

  昏睡

   (─)

   (─)

 7.言語障害

 昏睡で不明

  (+)

   (─)

 8.高血圧

  (+)

 なくてもよい

 なくてもよい

 

6. 髄膜炎

[症状]  1)頭痛

     2)悪心嘔吐

     3)髄膜刺激症状

     4)その他(発熱、意識障害など)

 

7. 老人性痴呆症51(認知症)

[分類]  1)一次性痴呆(原因不明の広範な細胞変性による)

      アルツハイマー病(50%)、ピック病52、老年痴呆

     2)二次性痴呆(脳血管障害30%、その他により類似の症状を示すもの)

      多発梗塞痴呆、ビンスワンガー病53

 1)アルツハイマー病*12*14

[定義]  (1)脳内に老人斑(アミロイド沈着)と神経原線維変化54がみられるのが特徴。

     (2)大脳が著しく萎縮、神経細胞が萎縮消失し、神経細胞間化学伝達物質(特にアセチルコリン)も減少する。

     (3)初老期(45歳〜)に発症し、女性にやや多い。

[症状]  (1)早期:物忘れ(記銘力障害55*14)が初発する。気分が変わりやすい。道に迷う。(計算障害*14、判断力、認識力の低下)

     (2)中期:失語、失行、失認が生じ、空間や時間の見当識障害や徘徊がみられる。

          感情変化、幻覚、妄想がみられるが、過去の記憶や喜怒哀楽、他人との関係を保持する能力は保たれる。

     (3)末期:起立・歩行が不能となり、咀嚼・嚥下も出来なくなる。人格も失われ記憶がなくなり、他人が認識できなくなる。

 

 2)老年痴呆

[定義]  病理学的にアルツハイマー病とほぼ同じで、アルツハイマー型老年痴呆と呼ばれる。

[症状]  1)痴呆←主症状

     2)人格変化、感情変化

 

8. パーキンソン病*1*2*6*8*10*12*13*15*16*17

定義  中脳の黒質にあるメラニン細胞の変性脱落が生じる大脳基底核変性疾患である

病因  不明

症状  発症時の症状には左右差がみられる*12

     1)振戦*1*8*15安静時*17に、丸薬丸め運動*6

     2)筋強剛*1筋固縮*15):硬直がみられ、鉛管(歯車)現象が生じる

     3)寡動*1*15:[運動減少症](仮面様顔貌*10

     4)姿勢反射(姿勢調節)障害*13*15:前屈姿勢、すくみ足*10、小歩歩行

     5)その他小字症*8巧緻障害*8便秘*10等がみられるが、精神症状や麻痺はみられない*16

[治療]  基本的な治療薬としてLドーパがある*12

 

9. 筋萎縮性側索硬化症*9*10*12*13*14*16

[定義]  上位・下位運動ニューロンの変性により生じ、緩徐に発症し進行性の経過をとる疾患

[疫学]  男性にやや多く*14、40〜70歳頃*14に発症

[分類]  1)普通型:上肢の脱力で発症

     2)球型 :構語障害、嚥下障害で発症

     3)偽多発性神経炎型:下肢の歩行障害、脱力で発症*14

[症状]  1)筋力低下・筋萎縮(左右非対称):末期には呼吸、咀嚼、嚥下障害*10が生じて呼吸管理が必要となる。しかし、外眼筋[眼球運動障害(−)*12*13*14*16]、肛門括約筋、排尿筋[膀胱障害(−)*12尿失禁(—)*13]、心筋、平滑筋は末期でも障害されない

     2)球麻痺症状(構音障害*9*12舌萎縮*9

     3)バビンスキー反射陽性*9深部反射亢進*13

     4)感覚障害(—)*12異常感覚(—)*13

 

10. ギラン・バレー症候群*4*5*6*8*12*19(急性感染性脱髄性多発神経根神経障害)

[定義]  上気道、消化器感染1〜3週後に発症する*8*12*19(約70%)

     自己免疫疾患で末梢神経の髄鞘が冒されて運動・感覚神経の両方が障害される。

[症状]  急性に発症する

     1)運動麻痺(四肢脱力*6多くは下肢に発症し、上行性に発展*8*19

     2)感覚障害*19

     3)両側の顔面神経麻痺*4*6(約50%)

     4)構音障害*4、嚥下障害、呼吸障害*4*6*12、不整脈など

     5)バビンスキー反射(ー)*12

[治療]  免疫グロブリン療法が有効56*12

[予後]  運動麻痺は多くの例でほぼ治癒する

 

11. 多発性硬化症*7*10*15*16

[定義]  脳と脊髄に脱髄斑が出現し、寛解と再発を繰り返す脱髄疾患*10

[症状]  1)1眼または両眼の視力障害*11で発症する例が多い

     2)深部感覚*15→痛覚→触覚→温度覚の順で障害される

     3)病的反射出現*15深部反射亢進*15

 

12. 進行性筋ジストロフィー*2*6*8*9*10デュシェンヌ型*9*10

定義  性染色体劣性遺伝性疾患で男子にみられる*9(進行性筋ジストロフィーの60%)

症状  2〜5歳ごろから発症*8

     1)筋萎縮、筋力低下(四肢は近位から遠位に進行し、転びやすく歩行が遅い)

      腰帯筋(とくに大殿筋)から発症し、ついで肩甲帯筋の筋力が低下する

     2)アヒル歩行*6動揺性歩行*8

      腰椎前弯が増強し、殿部を突き出し、上半身を左右に振って歩く

     3)登はん性起立*2*10[ガワース徴候]

      起立時に大腿に沿って手をついて、よじ登るような動きで上半身を起こす。

     4)仮性肥大(腓腹筋*8*9、三角筋、大腿四頭筋)

      筋組織が萎縮し、脂肪が沈着するため筋が肥大したようにみえる

 

13. 重症筋無力症*2*8*16*18

[定義]  1)アセチルコリン受容体に対する抗体が認められ、アセチルコリン受容体が減少している自己免疫疾患。 

     2)神経筋接合部障害により、骨格筋の易疲労性*18と筋力低下を主症状とし、増悪・寛解を繰り返す疾患(10万人に3人の罹病率)

[症状]  1)骨格筋の易疲労性(夕方>朝方*18動作反復により増悪*18し、休息により回復

     2)筋力低下(多くは全身性)→ついには呼吸筋麻痺で死亡

      (1)外眼筋麻痺 (80%:上眼瞼下垂*2*16*18複視*7*18

      (2)舌咽頭筋麻痺(60〜70%:嚥下困難*8、構語障害)

      (3)表情筋麻痺 (筋無力症顔貌)

      (4)四肢脱力  (四肢筋のみの脱力はみられない)

 

  1. 感染症
1. AIDS*5*6*10*15*16*17

[原因]  レトロウイルス*5であるHIV*5*16(human immunodeficiency virus)の感染により、ヘルパーTリンパ球(CD4リンパ球*16)が破壊され免疫不全を生じる

症状  潜伏期間→2〜7年間またはそれ以上*5*6*15

     初発症状→発熱、下痢、体重減少、  その後→リンパ節腫脹、血球減少症

     進行すると日和見感染*6*10*15*16を合併

     1)カポジ肉腫

     2)カリニ肺炎*5

     3)その他の感染57

[検査]  HIV抗体陽性*6CD4陽性T細胞が減少*6*15

予後  1)発症後3年以内にほぼ全例死亡するとされていたが、近年急速に改善傾向がみられる。我が国では感染者が増加し続けている*17

     2)新生児AIDSの予後は不良である*15

 

  1. リウマチ性疾患等
1. リウマチ熱*7

[定義]  結合織の炎症を特徴とする全身性非化膿性疾患で関節、心臓膜、血管、神経等を侵し、後遺症として心臓弁膜症を残す場合がある

[疫学]  5〜15歳が好発年齢で再発しやすい(最近の発生率は低い)

[病因]  A群β溶血性連鎖球菌の感染*7に基づく免疫的機序で生じる

     感染後1〜3週の潜伏期をおいて発症する

[症状]  ジョーンズ[Jones]の診断基準(1965 アメリカ心臓協会)

     1)大症状

      (1)心炎

      (2)多発性関節炎  :移動性・多発性で炎症症状

      (3)小舞踏病    :不随意運動(特に小児にみられる)

      (4)輪状紅斑*9   :体幹と四肢近位に生じ移動性

      (5)皮下小結節   :肘、膝に生じ、圧痛はない(特に小児)

     2)小症状

       (1)臨床症状

       A.リウマチ熱の確かな既往、またはリウマチ性心疾患の現存                      

       B.関節痛

       C.発熱 (38〜39℃:急性期に約2/3にみられる)

      (2)検査

       A.急性期反応(赤沈促進、CRP陽性、白血球増加)

       B.P-R間隔延長(心電図)

      (3)溶連菌感染の事実に対する支持的証拠(ASO陽性など)

     大症状が2つあるか、大症状1つと小症状2つがあり、かつ溶連菌感染の証明があればリウマチ熱である確率は非常に高い

 

2. 関節リウマチ*1*2*3*4*6*9*13*14(3)*16*17*18*19

定義  1)関節を主病変として全身の結合組織を多発性におかす慢性*4の炎症性疾患で寛解と再燃を繰り返す

     2)悪性関節リウマチ→血管炎の関与した関節外症状を伴い、男女比は男1:女2*14

疫学  1)男1:女性3〜5*1*320〜40歳代が多い*1*2)(膠原病の中で最も多くみられる)

     2)15歳以下に起こる若年性関節リウマチもある*3*4

症状  1)関節症状:

      (1)手などの朝のこわばり*9*15←初期

      (2)多発性・対称性関節炎症状*2*15

      (3)進行→関節変形・関節強直*6

      (4)好発関節

       A. 頸椎環軸関節*13*14*16*18

       B. 手指関節*1*2*4中手指節関節*13、近位指節関節)

       C. 中足指節間 (MTP) 関節*18

      (5)関節変形

       A.スワンネック変形

       B.ボタン穴変形

       C.尺側偏位

       D.外反母趾

       E.ハンマー状足趾(第2〜5趾が上方に浮き上がる)

     2)皮下結節*4*6*9*14*15:リウマトイド結節(20%)→手・肘関節伸側に出現

     3)心血管系  :貧血*2、レイノー現象、心障害(30%)

[合併]  4)神経系   :知覚障害(四肢末梢)、手根管症候群など

     5)骨筋肉系  :筋萎縮*3、骨粗鬆症(30%)

     6)呼吸器系  :胸膜炎、間質性肺炎*17肺線維症*14)(30〜50%)

     7)その他   :倦怠感、食欲不振、微熱、虹彩炎*6、など

[検査]  RA因子(リウマチ因子、リウマトイド因子*1)陽性

 

3. 全身性エリテマトーデス*1*2*6*7*8*9*14*15*16*18(SLE)

[定義]  自己免疫疾患*1*2で、抗原抗体複合体が各臓器血管に沈着し炎症を起こす

[疫学]  男1:女9〜10*2*14*16*18(10〜20歳*18が過半数)

[症状]  1)皮膚粘膜症状:蝶形紅斑*1*2*6*7*8*16、口腔内潰瘍(色素沈着、脱毛など)

      光線(日光過敏症*9*15*16による皮疹*18レイノー現象*9

     2)関節筋肉症状:多発性の関節痛*16・非破壊性関節炎*2*15*18、痙攣*15、

     3)筋肉症状 :筋肉痛

     4)心血管症状 :心膜・心筋炎

     5)腎症状  :糸球体腎炎を併発しやすい*1*15、乏尿、蛋白尿*18、浮腫

[合併]  6)神経精神症状:知覚障害、軽度の錯乱状態〜統合失調症

     7)呼吸器症状 :胸膜炎、間質性肺炎

     8)全身症状  :発熱*16*18、体重減少など

[検査]  1)血液検査  :白血球減少*18リンパ球減少*18、血小板減少抗核抗体58陽性*18

 

4. 強皮症*8*13*19(全身性進行性硬化症)

[定義]  皮膚硬化と血管病変を特徴とし、関節、内臓諸臓器の結合組織をおかす疾患

[疫学]  比較的まれな疾患で男1:女7(中年:20〜50歳代に多い)

[症状]  1)皮膚症状:

      (1)レイノー現象(必発)

      (2)皮膚硬化59

     2)関節症状 :多発性の関節のこわばり、疼痛などが高頻度でみられる

     3)消化管症状:舌小帯肥厚・短縮、食道病変(嚥下障害*19)、下痢・便秘、消化不良症候群

     4)呼吸器症状:間質性肺炎*13(肺線維症)

     5)その他  :肺高血圧、悪性高血圧

 

5. 皮膚筋炎*7*8*12*19(多発性筋炎)

[定義]  骨格筋と皮膚の慢性炎症と変性をきたす疾患で悪性腫瘍の合併*7*12が高頻度

[疫学]  男1:女2〜3(若年〜中年:30〜60歳に多い)

[症状]  1)筋症状:

      (1)上肢下肢の近位筋群の対称性筋力低下、運動痛

      (2)咽喉頭筋の筋力低下(呼吸困難、発声障害→鼻声*8

     2)皮膚症状:紅斑性皮疹(40%)、レイノー現象(25%)、強皮症、皮膚萎縮、ヘリオトロープ疹*8(上眼瞼の紫紅色疹)、ゴットロン徴候(関節伸側の鱗屑性紅斑)

     3)その他 :間質性肺炎*13など

 

6. 結節性多発動脈炎(多発性動脈炎)

[定義]  動脈の走行に沿って結節を生じ、動脈の炎症と壊死をきたす

[疫学]  比較的まれな疾患(日本で約1,000人) 

     中高年に多い(30歳代と60歳代にピーク)

[症状]  1)全身症状  :体重減少、発熱、関節・筋肉痛

     2)皮膚症状  :皮下結節(浅在動脈に沿って)、紫斑←皮膚血管炎による

     3)腎症状(70%):高血圧、血尿

     4)消化器症状 :急性腹症←血管炎による臓器梗塞による

     5)その他   :心症状、呼吸器症状、多発性神経炎

 

7. ベーチェット病*11*19

[定義]  遺伝的素因の解明が進み、HLA−B51(ヒト白血球抗原)との強い相関が明らかにされたが、原因は不明

[疫学]  わが国における患者数は18,000人と世界で最も多い

[症状]  1)口腔粘膜アフタ性潰瘍*11

     2)皮膚症状(皮疹・紅斑)

     3)眼のブドウ膜炎*11

     4)外陰部潰瘍*19

     5)針反応60

 

8. マルファン症候群*10

[症状]  1)巨人症、四肢細長

     2)クモ状指*10*19

     3)水晶体脱臼*10

     4)心血管異常(解離性大動脈瘤*10、僧帽弁閉鎖不全症)

 

9. 強直性脊椎炎*14

[好発]  20歳代に好発し、90%は男性*14

[症状]  脊椎椎間関節,仙腸関節などに骨強直をきたし、運動制限が生じる

 

注釈

[←1]

:1秒間の努力性呼出量の努力性肺活量に対する割合

[←2]

肺の炎症時に蛋白分解酵素から肺を守る作用がある

[←3]

:最大吸気時に肺内に存在する気体量

[←4]

:最大呼出した時に肺内に残る気体量

[←5]

:上大静脈から心臓への還流がせき止められ上半身の静脈怒張が生じ、顔面浮腫などが生じる

[←6]

:上腕神経叢、交感神経(星状神経節)に浸潤すると生じる。 1)肩から尺側への疼痛 、2)上肢筋萎縮 、3)ホルネル症候群*13の3主徴

[←7]

:反回神経に浸潤すると生じる

[←8]

:[小気胞]臓側胸膜内に発生した直径1㎝以下の異常気腔

[←9]

:[気腫性のう胞]直径1〜10㎝で肺胞壁の破壊により生じる

[←10]

:心膜液の貯留により心臓が圧迫され、拡張期充満が障害され心拍出量が低下した状態

[←11]

:大動脈は大動脈根の異常のため左室に直結せず、右によって中隔欠損上にあり、左心室と右心室にまたがっている

[←12]

:乳児期には体動が少ないため、生後3カ月以降にあらわれる

[←13]

:運動時にうずくまり姿勢がみられる→躑踞(そんきょ)

[←14]

:心筋酸素需要の増加が生じるのに大動脈圧低下によって冠血流量低下が生じるため

[←15]

:左腸骨窩を圧迫すると右腸骨窩に疼痛(下行結腸内ガスが回盲部に圧排されるため)

[←16]

:回盲部(右腸骨窩)を圧迫しておいて、手を離すと痛みが増強

[←17]

:左側臥位をとらせると、回盲部の圧痛が増強(虫垂間膜が緊張するため)

[←18]

:マックバーネー点、ランツ点、ムンロー点など

[←19]

単純性腸閉塞では聴診上有響性金属音*12として聞かれる。

[←20]

:右側結腸癌→下痢、左側結腸癌→便秘、直腸癌→下痢、便秘が不規則

[←21]

:側副血行路は、門脈圧の亢進が原因となって生じ、1)臍周辺の腹壁静脈の怒張*5(メズサの頭)、2)食道静脈瘤*14、3)痔静脈瘤が代表的である

[←22]

:肝臓の合成機能が低下するためにアルブミンの低下やコレステロールの低下がみられる

[←23]

:胆石が胆道系に詰まることで生じる。脂肪豊富食、暴飲暴食、過労が誘因となり、夜半就寝中まもなく突然激しい心窩部痛が生じ、次第に右季肋部痛となることが多い

[←24]

膵腋によって組織が溶解され、その血性滲出液が臍周辺や側腹部の皮下に沈着するため生じる

[←25]

血糖値を下げる作用をもつのはインスリンのみ*19である。一方、成長ホルモン*19副腎皮質ステロイド*19カテコールアミン*19、グルカゴンなどは血糖値を上げる作用がある。

[←26]

:膵島B細胞機能がほとんど廃絶し、インスン注射を行わなければただちに生命が危険

[←27]

:B細胞機能は低下している、かならずしもインスリンを必要としない

[←28]

足指から感覚障害が現れて*19、次第に近位部に向かって左右対称性に進行し上肢にも波及する

[←29]

:24時間以内に最高に達し、3〜4日間持続後消退しはじめ、2〜3週間後にほぼ完全に消失する

[←30]

:骨化成熟の程度を年齢と比較したもの

[←31]

:視床下部で産生され、下垂体後葉に貯蔵され必要に応じて分泌される

[←32]

:粘液水腫と同様に、嗄声*14、精神不安定、意欲の低下がみられ、非圧痕性浮腫*14により体重が増加*14する

[←33]

:慢性の経過中に、甲状腺に蓄えられていたホルモンが血液中に漏れ出ることによる

[←34]

:副腎皮質で産生され、尿細管でNaを再吸収し、Kを排出させる作用を有する

[←35]

:赤血球容積と赤血球ヘモグロビン量が正常より大きい大球性正色素性赤血球がみられる

[←36]

:骨髄に存在する赤血球系の幼若な細胞

[←37]

:胃壁細胞から分泌されB12と結合し複合体を形成し、回腸で吸収される。胃切除*9*13後3〜4年以降に悪性貧血が発症する

[←38]

:異常型質を持つ男子は発病するが、女子は発病せず保因者となる*16

[←39]

:抗原抗体複合体が腎に沈着して腎炎が発症

[←40]

:血清中に残存している補体の総和をいう。補体とは感染防御や炎症反応などに重要な役割を示す免疫反応を媒介する血中タンパク質の一群

[←41]

:尿中への喪失などによる

[←42]

:合成亢進、胆汁酸への転化障害などによる

[←43]

:脳血管障害により急激に意識障害、神経障害が出現する状態

[←44]

:微小塞栓、血管攣縮などで脳の循環障害が生じ一過性に神経症状を生じる発作のことをいう

 症状→1)突発する、2)神経症状(運動・感覚障害、失語など)、3)24時間以内に症状は消失

[←45]

リウマチ性弁膜症(僧帽弁口狭窄)、心房細動*10*11*12*17、心内膜炎 などが原因となり血栓が生じる

[←46]

:ウイリス動脈輪の閉塞により側副血行路が形成され、血管影像がタバコの煙のようにみえるため名付けられた

[←47]

:仰臥位で他動的に頭部を前屈させると、筋の抵抗が強く痛む

[←48]

:仰臥位で股関節を90度屈曲した状態から膝を押さえながら下腿を持ち上げる(膝関節伸展)屈筋の抵抗が生じ伸展できない

[←49]

:仰臥位で膝関節を伸展したまま、他動的に下肢を挙上し股関節を屈曲させると、70度以下で下肢後側に疼痛が生じ挙上できない

[←50]

:仰臥位で頭部を他動的に前屈させると、股関節と膝関節に自動的な屈曲が生じる

[←51]

:認知症(2004.12.24)と名称が変更されたが、医学書等には未だ痴呆と記載されているものが多い

[←52]

:原因不明。大脳の限局性萎縮がみられ、特有な人格変化や特有な態度、滞続言語などが生じる

[←53]

:原因不明。大脳深部白質のびまん性脱髄・萎縮および側脳室の拡大がみられ、主症状として緩徐進行性の痴呆が生じる

[←54]

:細胞の骨格を支える線維性構造物の変性したものが神経細胞内に貯まる

[←55]

特に近時記憶障害*12初期にみられる*14

[←56]

:免疫抗体を他の個体に投与し、免疫能を転嫁する方法

[←57]

:サイトメガロウイルス感染症、真菌感染症、非定型抗酸菌症などが多くみられる

[←58]

自分の細胞の核内の構成成分を抗原とする自己抗体の総称。自己免疫疾患で陽性となる。

[←59]

四肢末梢、顔面の浮腫で始まり体幹に広がる。皮膚は硬化してつまみにくくなり、顔は仮面様*8で口周囲に放射状のシワが生じる

[←60]

注射針刺入後2448時間に、刺入部に発赤とともに無菌性小膿疱がみられる

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